幻魔大戦 作品情報
げんまたいせん
トランシルバニア王国の第一王女ルナ姫は、親善使節として米国に向うジェット機に乗っていた。機内で、彼女は手に持った水晶の球の中にジェット機が落ちるのを見て大声をあげた。同時に機は宇宙から飛んできた物体と衝突して墜落する。空中に放りだされたルナは、宇宙のエネルギー生命、フロイの声を聞く。フロイによれば、宇宙の破壊者、幻魔大王の死の手が銀河系に伸びており、超能力を持つ者を集めて地球を救うために戦えという。ルナはフロイによって遣わされたサイボーグ戦士ベガとともに同士を求めて飛びたった。その頃、東京では、高校生の東丈が野球部のレギュラーからはずされ、ガールフレンドの沢川淳子にも冷たくされてクサッていた。ある夜、丈は淳子を新宿に呼びだした。夜なのに学制服で外出した丈に、淳子は「あなたの姉の存在が大き過ぎる。暫く会わない方がいい」と話す。ホンダ・ストリームに乗って走り去る彼女の後姿を寂しげに見送った丈は、ウサ晴らしに成人映画を観ようとして断られ、新宿ALTA附近をうろついていた。そこへ、ベガが現れ、丈を追いつめる。周囲の通行人は石のように動かない。建築中のビルの屋上に逃げた丈は、恐怖に錯乱すると、建築資材がベガめがけて飛んでいった。これはルナが丈の超能力を調べるためにやったことで、その力は予想以上だった。自分の力に驚く丈は、帰路、シャッターの降ろされた吉祥寺サンロード商店街で、マクドナルド・ハンバーガー・ショップの前にあったポリバケツの蓋を思うがままに飛ばした。数日後、ルナは丈とテレパシーでコンタクトするが、彼は怯えて自分の殻の中に閉じこもる。その原因は、丈が小さい頃から、危険を感じると姉の三千子に頼っていたことにあると悟ったルナは逃避をやめて自立しろと説得する。地球を救う戦いに参加する決意をした丈は、この途方もない話を姉にすると、彼女は疑いもなく信用し、愛の力が宇宙を救うのだと話す。幻魔は淳子に乗り移り、丈に襲いかかるが、彼はなんとか敵の攻撃をかわした。その頃、幻魔がニューヨークを襲い、市は廃墟と化し、超能力を持った黒人少年ソニーが、謎の炎に包まれ、それがどんどん膨張していた。その光景を呆然と見つめるルナ、ベガ、丈。そこでルナは各地の超能力者にテレパシーを送ると、サラマンダー、ヨーギンが集まり、皆の協力でソニーを救い、幻魔を追い払った。同じ頃、東京でも幻魔が大暴れてしており、ニューヨーク同様に廃墟と化しており、吉祥寺の丈の自宅では幻魔の手下、ザメディとザンビが三千子に襲いかかっていた。三千子はテレパシーでガスレンジに火を付け、一人を焼き殺すが、無残に殺されてしまった。東京に戻った丈は戦いに傷つき、医師のカフーに手当てを受けるが、彼こそが幻魔を代表する配下であった。回復した丈は、超能力を持ったアサシンと少女のタオとともに、カフーを追い富士山に向った。丈たちよりも一枚も二枚も上手のカフーは二人を冷凍にするが、その時、死んだ三千子の霊が現れ、カフーを倒す。そして、集まって来たルナ、サラマンダー、ソニー、ヨーギンたちの力で、丈とアサシンは蘇生する。そのとき、火口から幻魔が現れ、全員に襲いかかった。その爆発的なパワーにはね飛ばされる丈たち。そこで、全員が輪になり、皆の力をベガに集中して立ち向かう。これには幻魔もかなわず、一瞬にして氷となって砕け散った。役目を終えてベガは、緑の水晶球となって、手をつないで輪になったルナ、丈、ヨーギン、サラマンダー、アサシン、タオ、ソニーたちの姿が空中に浮かんでいた。
「幻魔大戦」の解説
大宇宙の破壊を企む暗黒の支配者、幻魔と戦う地球の各地から集まったエスパーたちの活躍を描く。平井和正、石森章太郎の同名の原作のアニメーションで、脚本は「宇能鴻一郎の姉妹理容室」の内藤誠、「襲われる女教師」の桂千穂、真崎守の共同執筆、監督は「さようなら銀河鉄道999」のりんたろうがそれぞれ担当。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1983年3月12日 |
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キャスト |
監督:りんたろう
原作:石森章太郎 平井和正 出演:古谷徹 小山茉美 江守徹 池田昌子 美輪明宏 佐藤正治 穂積隆信 永井一郎 滝口順平 潘恵子 塩沢兼人 林泰文 原田知世 槐柳二 田中秀幸 内海賢二 白石加代子 |
配給 | 東宝東和 |
制作国 | 日本(1983) |
上映時間 | 135分 |
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