モンタルボと少年 作品情報
もんたるぼとしょうねん
少年ヴァレリオ(ミシェル・デュクレ)は何かを見つめる。少年は大人たちの世界をかいま見る。彼らの習慣、愛、怖れ、暴力をそこに見る。モンタルヴォ(クリストフ・ドラショー)、少年のアウトサイダーの叔父は、闘牛の記憶とパンドラ(マチルド・アルタラツ)という女性への想いの間で揺れていた。彼の身振りは狂気を帯び、次第にダンスへと変わっていく。子羊が、殺されて少年は深く悲しむ。大人たちの肉体はさまざまな表情を見せ、声もなく少年は見ている。夜が訪れ、食卓を皆が囲み、少年は眠り夢を見る。少年がハッとして目を覚ますと、夜の闇の中を列車がガタコトと通り過ぎていくのだった。
「モンタルボと少年」の解説
フランス、ヌーヴェル・ダンスの旗手、ジャン・クロード・ガロッタの振付作品「雌狼とパンドラ」をもとに、純真な少年がかいま見る大人たちの世界を幻想的な手法で描くダンス・フィルム。監督・脚本はビデオ作品や短編映画を製作していたクロード・ムリエラスで、本作が長編デビュー作。製作はジル・サンドス、撮影はヴァルター・ヴァン・デン・エンデ、音楽はアルヴォ・ペルトが担当。出演はガロッタと、彼率いるグループ・エミール・デュポワのダンサーたち。八九年ジョルジュ・サドゥール賞受賞作。なお、本作には台詞がないので、日本版字幕はない。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1993年5月8日 |
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キャスト |
監督:クロード・ムリエラス
出演:マチルド・アルタラツ クリストフ・ドラショー Robert Seyfried ジャン・クロード・ガロッタ ミシェル・デュクレ |
配給 | ユーロスペース |
制作国 | フランス(1988) |
ユーザーレビュー
総合評価:4点★★★★☆、1件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-11-20
この映画「モンタルボと少年」は、フランスのモダン・ダンス界をリードする、ダンサー兼振付師のジャン=クロード・ガロッタの世界を映像化した作品だ。
大人の世界を垣間見た少年が、やがて愛や暴力といった現実に飲み込まれていく様を、イメージ・フィルム風に綴った作品なのだ。
監督のクロード・ムリエラスは、それまでビデオ作品や短編映画で注目された映像作家で、この作品が長編デビュー作。
セリフやストーリーは、ほとんどなく、列車の音や鳴き声などを効果的に使用していて、実に見事だ。
そこに、ダンス・シーンを盛り込み、幻想的な味わいを醸し出していると思う。