肉体の冠 作品情報
にくたいのかんむり
一八九八年の秋。パリのやくざものルカ(クロード・ドーファン)一味は、日曜日の行楽にそれぞれ情婦をつれてマルヌ河で舟遊びした。女たちのなかで、マリー(シモーヌ・シニョレ)は鮮かなブロンドの髪を兜型に結い、目立って美しい存在だったが、彼女は情夫ローランとの仲がまずいものになっていた。マリーはローランへの厭がらせに、休憩した掛茶屋で働いていた大工のマンダ(セルジュ・レジアニ)を誘い、殊更親しそうにふるまったので、ローランはマンダに喧嘩を吹きかけた。だがマンダは彼を殴り倒して去って行った。親分のルカは内心マリーに気があったが、彼女の心がローランを去ったと知って、翌日の夜、彼女を一味の溜り場『アンジュ・ガブリエル』の酒場に誘った。そこへマリーの呼んだマンダが現れた。マンダとローランは成行き上、酒場の裏で決闘することになり、死闘の未、マンダはローランを殺してしまった。マリーは黙ってその場を立去り、翌日手紙でマンダをジョワンヴィルの一軒家に呼びよせた。数日、二人はそこで恋の歓びに身を任せたが、その間に、ローラン殺害事件を知った警察はマンダの行方を追究していた。ルカはマンダをおびき出すため、マンダの親友レイモンを犯人だと密告して捕えさせた。案の定マンダは自首して出たが、ルカの計略であると知って怒り、警察から監獄へ移される護送車の中から逃走、警官隊の目の前でルカを射殺した。マンダは死刑を宣告された。運命の日、断頭台のマンダを、マリーはうつろな眼でじっとみつめていた。
「肉体の冠」の解説
「幸福の設計」のジャック・ベッケルが一九五一年に監督した作品で、今世紀初めの実在の街の女を主人公に、ベッケルと「密会」のジャック・コンパネーズがオリジナル・シナリオを書き、それをベッケルが脚色し台詞を附加した。撮影は「想い出の瞳」のロベール・ルフェーヴル、装置は「輪舞(1950)」のジャン・ドーボンヌの担当。主演は「輪舞(1950)」の第一話のコンビ、シモーヌ・シニョレとセルジュ・レジアニで、クロード・ドーファン(「呪われた抱擁」)、レイモン・ビュシェール、ガストン・モド、ポール・バルジュらが助演している。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:ジャック・ベッケル
出演:シモーヌ・シニョレ セルジュ・レジアニ クロード・ドーファン レイモン・ビュシェール ガストン・モド ポール・バルジュ ダニエル・マンダイユ Dominique Davray Trignol Tony Corteggiani オデット・バランセー ポール・アザイス Loleh Bellon William Sabatier Jean Clarieux Pomme ローラン・ルザッフル |
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配給 | 新外映=NCC |
制作国 | フランス(1951) |
上映時間 | 94分 |
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