オルフェ(1950) 作品情報

おるふぇ

オルフェ(1950)のイメージ画像1
オルフェ(1950)のイメージ画像2

詩人オルフェ(J・マレエ)は、「詩人カフェ」に集る文学青年達の賞賛の的であった。或日このカフェに王女と呼ばれる女性(M・カザレス)が来、同行者の詩人セジェストがオートバイにはねられて死んだので、オルフェに手伝わせて彼女は自分のロールス・ロイスに死体をのせた。車が着いた建物で、王女はセジェストを生返らせて鏡の中に消えた。その後を追おうとしたオルフェは鏡にぶつかって気を失い、目が覚めると建物はなくなっていた。近くに止まっていた王女のロールス・ロイスで居眠りしていた運転手のウルトビーズ(F・ペリエ)をゆり起してオルフェは妻のユリディス(M・デア)の待つ我家へ帰ったが、彼の心は王女に飛んで、車のラジオから聞える暗号に耳を傾けるのに必死だった。王女は夜毎オルフェの夢枕に現れたが、彼はそれに気付かなかった。ユリディスは夫の心が自分から離れたと悲観していたが、或日オートバイにはねられて死んだ。ウルトビーズからこれを聞いたオルフェは、王女の残していった手袋のおかげで鏡を通り抜け、死の国へ出かけた。そこでは裁判が開かれ、オルフェは二度と妻を見てはならぬという条件で、ユリディスを連れ帰ることを許された。しかし彼女は再び夫の愛を取戻せぬことを知ると、わざと車のバックミラー越しにオルフェに自分の姿を見させて、自ら姿を消した。その時、オルフェが友人セジェストを奪ったと非難する若者達が押し寄せて来てオルフェを殺してしまう。王女は死の国の入口でオルフェを待っていたが、ついに自分の恋は生ある人に返すべきことを悟って、オルフェとユリディスを再びもとの世界へ送り返すのだった。

「オルフェ(1950)」の解説

ギリシャ神話のオルフォイス伝説から「恐るべき親達」のジャン・コクトーがシナリオを創造(コクトーには戯曲『オルフェ』もある)、自ら監督に当った一九五〇年度ヴェニス映画祭監督賞受賞作品。撮影は「密告(1943)」のニコラ・エイエ、音楽は「恐るべき親達」のジョルジュ・オーリックで装置はジャン・ドーボンヌ。最初装置を担当する予定で物故したクリスチアン・ベラアルに作品はデディケイトされている。主演は「恐るべき親達」のジャン・マレー「パルムの僧院」のマリア・カザレス「悪魔が夜来る」のマリー・デア「バラ色の人生」のフランソワ・ペリエ。以下、エドゥアール・デルミ、ロジェ・ブラン、アンリ・クレミエ、ジュリエット・グレコらが助演する。2022年12月30日から開催される【没後 60 年 ジャン・コクトー映画祭】にて上映。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督ジャン・コクトー
出演ジャン・マレー フランソワ・ペリエ マリア・カザレス マリー・デア アンリ・クレミュー ジャック・ヴァレンヌ ピエール・ベルタン ジュリエット・グレコ ロジェ・ブラン エドゥアール・デルミ
配給 新外映=東宝
制作国 フランス(1950)
上映時間 95分

(C) 1950 SND (Groupe M6)

ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-06-03

美大で瀧口修造論を聴講,シュールレアリスムの自動筆記の話題が出た時にジャン・コクトーの本篇等のモノクロームのシーンが連想されて来た。ガラス売りの声と共に

最終更新日:2024-06-13 16:00:02

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