運命の女(1944) 作品情報

うんめいのおんな

片田舎の漁村に生れた娘マルガリータは、都の富める青年ユリオを愛し、父の反対を押切って結婚した。然し何ケ月かの後ユリオは商用と称して都へ出たまま再び帰らなかった。マルガリータは後を追って都へ出たが、初めてユリオにだまされ一時の慰さみ者にされた事を知った。村にも居られなくなった彼女は、都会へ出て洗濯屋で働くうち、ユリオの子供を産んだ。同じアパートに住むニノンの世話で、マルガリータは子供を育てるため酒場の女となったが、その美貌は数年後に彼女をメキシコ市第一の人気女とした。その頃革命軍が同市に浸入し、若いファン・ゴメス将軍は酒場で部隊の祝賀会を開いたが、彼は一目でマルガリータの美しさに心を奪われ、即座に大金を払って彼女を囲い者とした。マルガリータも次第にゴメスを心から愛するようになり、子供のマルガリートを引取って正式に結婚する事になったが、その夜ゴメスは劇場で警官隊に逮捕され、抵抗しようとして射殺された。彼は強盗殺人団の巨頭で内乱に乗じて革命軍の将軍となっていたのである。何も知らなかったマルガリータは巻添えをくって八年の刑に処せられ、子供を養育院にあずけて牢へ下った。刑期を終えて出所した時、子供は立派な少年になっていたが、彼女は将来のためを思って母と名乗らず、院長に子供の学資を送る約束をして別れた。若さと美しさを失ったマルガリータは街の女に落ちぶれて子供のために働いた。ついには客の金を盗んでまで学資を送りつづけた甲斐があって、マルガリートは若手の弁護士として売出す日が来た。彼が最初の弁論を張って被告を無罪にした日、傍聴席の一隅で、ボロボロの衣服をまとって涙にくれる老いた女の姿があった。それは貧と病にいたみつけられたマルガリータの悲しい喜びの姿であった。

「運命の女(1944)」の解説

「真珠」のエミリオ・フェルナンデスが自ら原作を書き監督した映画で、彼は脚色と台詞にもマウリシオ・マグダレーノと協力している。撮影も「真珠」と同じくガブリエル・フィゲロアである。主演は多年アメリカ映画のスターであり、近くはジョン・フォードの「逃亡者」に主演したドロレス・デル・リオが故国に帰っての出演で、相手役は「真珠」のペドロ・アルメンダリスが勤める。主なる助演者は「真珠」「黄金」のアルフオンゾ・ベドイヤ、「真珠」のチャールズ・ルーナーとアルチェロ・ソト・ランゲル等である。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督エミリオ・フェルナンデス
原作エミリオ・フェルナンデス
出演ドロレス・デル・リオ ペドロ・アルメンダリス ヴィクトル・ユンコ アルフォンソ・ベドーヤ
配給 NCC
制作国 メキシコ(1944)

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最終更新日:2022-07-26 11:03:57

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