文なし横丁の人々 作品情報
もんなしよこちょうのひとびと
ロンドンの裏街に住む貧しい洋服屋カンディンスキー(デイヴィッド・コソフ)のところには、南アフリカに出稼ぎに行った夫の迎えを待つジョアンナ(セリア・ジョンソン)とジョー(ジョナサン・アシュモア)の母子が身を寄せている。この店でミシンを踏んでいるサムは逞しい肉体が自慢だが、洋服店マダム・リタのお針子ソーニア(ディアナ・ドース)との四年ごしの婚約も、金がないばかりに婚約指環さえ買えない始末だった。動物好きのジョーは可愛がっていたヒヨコが死んでがっかりしたが、浮浪者が連れていた角が一本しかない仔山羊を見、これこそいつもカンディンスキーが話してくれた、何でも願いごとのかなう一角獣にちがいないと信じこみ、小遣いをはたいて買い取った。興業主のブラッキーからレスリング試合出場をすすめられていたサムは、早く金を儲けてソーニアと結婚したいと思い、また、ソーニアに横恋慕する横暴なレスラーのパイスンの態度に憤慨していたので試合出場を承知した。老レスラーのベイスンとの最初の試合はまず成功だった。ジョーは、サムが勝ったのは一角獣に祈ったからだと思っていた。カンディンスキーの唯一つの願いは蒸気アイロンを買うことであった。ちょうどリタの店で古い蒸気アイロンが不要になり、カンディンスキーは早速買いに行ったが値段が折り合わなかった。いよいよサムとパイスンとの試合の日が来た。サムはとてもパイスンの敵ではなかったが、わずかの隙を見つけて形勢を逆転し、立派に勝利を得た。しかし、ジョーたちが試合を見に行っている間に栄養不良の仔山羊はカンディンスキーに見とられて息を引きとった。サムはソーニアと一緒に横丁の人たちにとりかこまれ、カンディンスキーへの御土産に蒸気アイロンをもって意気揚揚と帰って来た。願いはかなった、一角獣はどこにいる、ときくジョーに、カンディンスキーは、やさしく、一角獣は故郷のアフリカヘ帰って行ったと言うのだった。
「文なし横丁の人々」の解説
「二つの世界の男」のキャロル・リードが一九五五年に製作監督した作品。ロンドンの裏街に住む人人の哀歓を描くもので、ウォルフ・マンコウィッツの小説を、マンコウィッツ自身が脚色した。イーストマンカラーの撮影は「完全なる良人」のエドワード・スケイフ、音楽は「若い恋人たち」のベンジャミン・フランケルである。出演者は「地中海夫人」のセリア・ジョンソン、「オリヴァ・ツイスト」のディアナ・ドース、「若い恋人たち」のデイヴィッド・コソフ、新人ジョー・ロビンソン、リード発見の少年ジョナサン・アシュモア、「ホブスンの婿選び」のブレンダ・デ・バンジー、「ホブスンの婿選び」のダフニ・アンダーソン、プリモ・カルネラ、ジョゼフ・トメルティなど。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:キャロル・リード
原作:ウォルフ・マンコウィッツ 出演:シリア・ジョンソン ディアナ・ドース デイヴィッド・コソフ ジョー・ロビンソン ジョナサン・アシュモア ブレンダ・デ・バンジー プリモ・カルネラ ルー・ジャコビ Sydney Tafler シドニー・ジェームズ Vera Day ダフニ・アンダーソン ジョゼフ・トメルティ ダニー・グリーン |
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配給 | 東和 |
制作国 | イギリス(1955) |
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