P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-12-19
高度経済成長期の北イタリアの工業都市。
技師の夫と息子の三人で暮らす、モニカ・ヴィッティ扮するジュリアーナの虚ろな日々。
交通事故以来、ノイローゼ気味の彼女は、友人たちと乱痴気パーティーをしても、不倫をしても、心は満たされない。
この映画「赤い砂漠」は、ミケランジェロ・アントニオーニ監督初のカラー作品で、原色を活かした、強烈で荒涼とした映像が、彼ならではのテーマである"愛の不毛"を、残酷なまでに浮かび上がらせる。
ジュリアーナの不安や孤独、疎外感が我々現代人に共通のものとして迫ってくる。