生きる歓び 作品情報
いきるよろこび
除隊になっても何のあてもない孤児のユリス(アラン・ドロン)と仲間のツリドは、途方にくれて街をさまよっていた。そのうち、「黒シャツ党」の党員募集のビラを見た二人は、何も知らずに入党した。ファシスト団体である黒シャツ党での最初の仕事は、ローマ中の反ファシストのアジトをさぐることだった。ところが最初の日、ユリスは調べに行った印刷屋で、その店の主人(ジーノ・チェルヴィ)に店を手伝ってくれと頼まれた。条件がいいのと、かわいい娘フランカ(バーバラ・ラス)がいるのが気に入ったユリスは承知した。この一家はアナキストでフランカさえもそれをほこりとしていた。ユリスはフランカに夢中になったが彼女は冷たい。思いあまった彼は、フランカの気をひこうと、にわかテロリストになりすました。案の定、フランカはユリスを尊敬と憧れの眼で見はじめた。それもその筈、ユリスはテロリストの英雄カンポサントだと名乗りをあげたのだ。だが、それなら英雄らしいことをしなければならない。すっかりユリスをカンポサントだと信じこんでいるフランカの手前、いやいやながらユリスはテロリストらしきことをやりはじめた。そんな時、ユリスは本物のテロリストが爆弾をしかけるという事件に出くわした。罪のない人まで犠牲になろうとしているのを知ったユリスは、フランカの信頼を失うことも承知で、テロリストの計画をぶちこわすことに懸命になった。一方、フランカはユリスがにせのテロリストだったと知りショックを受けた。が、敢然と人々の危険をすくったユリスに、フランカは改めて心をゆすられるのだった。もう、テロリストでなくてもいい。二人はいつまでも抱き合うのだった。
「生きる歓び」の解説
グアルティエコ・ヤコペッティ、ルネ・クレマンの原案により、レオ・ベンヴェヌーティ、ピエロ・デ・ベルナルディが脚色した。監督は「太陽がいっぱい」のルネ・クレマン。撮影はアンリ・ドカエ、音楽はアンジェロ・フランチェスコ・ラヴァニーノが担当。出演は、「太陽がいっぱい」のアラン・ドロン、新人バーバラ・ラス、ジーノ・チェルヴィ、リナ・モレリなど。黒白・リアリスコープ。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:ルネ・クレマン
出演:アラン・ドロン バーバラ・ラス ジーノ・チェルヴィ リナ・モレリ Carls Piisacane Giampiero Littera |
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配給 | 東和 |
制作国 | フランス(1960) |
ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、2件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-06-16
ルネ・クレマン監督、アラン・ドロン主演の「生きる歓び」は、ルネ・クレマン監督がイタリアへ渡って撮った作品で、第一次世界大戦後の混乱したヨーロッパを、喜劇的な手法で描いた佳作だ。
主演のユリスにアラン・ドロンが扮し、彼が恋するフランカには、バルバラ・ラスが扮している。
戦争の終ったローマは、ファシストの黒シャツ党が勢力を伸ばし、その一方、アナーキストによるテロが続発するといった、物情騒然な世相だった。
そんな中、兵役から帰って来た青年ユリスは、知らず知らずのうちに、意外な立場に追い込まれていく-------。