土曜の夜と日曜の朝 作品情報
どようのよるとにちようのあさ
二十二歳のアーサー(アルバート・フィニー)は、英国ノッティンガムの工場の旋盤工で、土曜の夜になると生き生きする。彼は同じ工場に働くジャックと親友だが、その妻ブレンダ(レイチェル・ロバーツ)と情事にふけっている。ジャックが海岸へ息子を連れ戻しに出かけたあと、アーサーは彼の家に入りこみ、ブレンダと一夜を送った。翌朝、行きつけの酒場で彼は魅力のある少女ドーリン(シャーリー・アン・フィールド)に眼をつけた。ジャックが夜間勤務になると、アーサーは足しげくブレンダを訪ねた。彼はブレンダとの情事の一方で、ドーリンとも情事を続けた。ブレンダはアーサーに、自分は妊娠しているが、その責任はジャックではなくアーサーだという。アーサーは伯母の家にブレンダを連れて行き堕胎の方法を教えてもらった。だが、それは失敗に終り、ブレンダは医者にかかる費用をアーサーに出してくれと頼む。その頃アーサーの気持はドーリンに移っていたが、ブレンダもそれを知るようになった。彼女は遊園地で、アーサーがドーリンといっしょにいるのを見つけた。そして、カッとなったブレンダはアーサーに、子どもをおろさずに産むといった。がこの情事はアーサーがジャックの弟とその友達の二人の兵隊にめちゃめちゃに殴られることで終った。一週間を寝たまますごし、元気をとりもどしたアーサーは、ドーリンとの結婚を決意するのだった。
「土曜の夜と日曜の朝」の解説
“怒れる若者たち”の作家アラン・シリトーの原作・脚色を映画化した日本初登場のカレル・ライス監督による社会ドラマ。撮影をフレディ・フランシスが担当。音楽をジョン・ダンクワースが受けもっている。出演するのは新人アルバート・フィニー、「月世界一番乗り」のシャーリー・アン・フィールド、レイチェル・ロバーツなど。製作はハリー・サルツマンとトニー・リチャードソン。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:カレル・ライス
原作:アラン・シリトー 出演:アルバート・フィニー シャーリー・アン・フィールド レイチェル・ロバーツ ブライアン・プリングル ノーマン・ロシントン |
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配給 | 昭映フィルム |
制作国 | イギリス(1960) |
ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、2件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-06-16
この映画「土曜の夜と日曜の朝」は、イギリスの”怒れる若者たち”を代表するアラン・シリトーの同名小説をもとに描かれた社会派ドラマの秀作だ。
主人公は、イギリスの地方都市ノッティンガムの工場で働いている旋盤工であり、不良じみたこの青年と、彼を取り巻く周囲の人々の日常生活を、克明に描いただけの映画だ。
しかし、その日常生活の捉え方の中に込められた実感の切実さは、今観ても、驚くほどの普遍性を持っていると思う。
この主人公のアーサーを演じるのは、「トム・ジョーンズの華麗な冒険」「オリエント急行殺人事件」「ドレッサー」など英国を代表する演技派俳優・アルバート・フィニーで、このアーサーは工場で働きながら、絶えず苛立ち、不平を言っている青年だ。
「ちくしょう、なんてつまらない仕事だ、なんてつまらない人生だ、みんな押しつぶされているんだ、しかし俺は押しつぶされやしないぞ」と------。
彼はまさしく、”怒れる若者たち”の一人なのだ。