P.N.「グスタフ」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2019-10-06
公開当時男女の恋愛動機が描かれていないと一部で批判を受けたルイ・マルの、恋愛至上主義とその自己責任を問う女性のための恋愛映画。このフランス映画の10年後にアメリカ映画「ジョンとメリー」、そしてその約10年後に日本映画「遠雷」があって興味深い。強引だが、男女の恋愛観について日本は、アメリカと10年の隔たりがあり、フランスとは20年の開きがあったことを感じさせる。
月の光に浮かぶ女と男の甘美な情景が、ブラームスの弦楽六重奏曲アンダンテ・マ・モデラートの流麗な旋律でさらに美しく、刹那的に描かれる。女性として成熟したジャンヌ・モローの存在感が全ての、彼女に捧げたルイ・マル演出を堪能する。