デルス・ウザーラ 感想・レビュー 4件

でるすうざーら

総合評価5点、「デルス・ウザーラ」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
なし
投稿日
2024-06-14

このような意味からも、黒澤明がこの映画を撮ったのは、それなりの必然性があったようにも思われます。

老いたデルスは、一時、慣れぬ都会暮らしをした後、再び、大自然のもとへと帰って行きます。
だが、アルセーニエフにもらった新式の銃が仇となって、海賊に襲われ殺されてしまいます—-。

“大自然への畏敬”を描いたこの映画の背後には、哀しいことに、”人間と文明への懐疑”が潜んでいるということを思わずにはいられませんでした。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
なし
投稿日
2024-06-14

天涯孤独で家も持たず、ウスリー地方の密林の自然と共に暮らしている猟師、デルス・ウザーラ。
1902年の秋、地誌調査のためシベリアのウスリー地方に入ったアルセーニエフ隊は、初めてデルスに出会います。

移り変わる自然ばかりでなく、水や火や天空にまで命というものを感じて生きているデルスは、ハンカ湖で突然来襲した吹雪からアルセーニエフを救出します。
この大自然をこよなく愛するデルスの生き方にアルセーニエフは感動し、二人は強い友情で結ばれていくことになります。

ここで、そんなデルスに、人間社会の面倒事がイヤになってしまった黒澤明を重ね合わせてみても、それほど間違いではないような気がします。
この作品を撮る前、黒澤明は「トラ・トラ・トラ!」の監督解任などトラブル続きで、自殺未遂事件を起こしています。

そんなこともあってか、シベリアの大自然は、人間の油断を許さぬ厳しいものがありますが、また、人間を暖かく迎え入れてくれる”安息の場”という感もあります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-06-14

黒澤明の映画といえば、どうしても強い風雨の前での人間たちのギラギラとした争いの場面を連想してしまいます。自然とは黒澤明の映画にとって、実に効果的な舞台背景だったと思う。

人間の生きることの厳しさを描き続けて来た黒澤明が、初めて自然の厳しさそのものを描こうとしたのが、この映画「デルス・ウザーラ」であると思う。

原作は、帝政ロシア時代の探検家・アルセーニエフの探検記で、黒澤明監督は30年間この作品の映画化を胸に抱き続けてきただけあって、準備と撮影に2年半も費やすという力の入れようでした。

そして、この映画は黒澤明監督としては初めての合作映画であり、また初の70ミリ作品でもあり、アカデミー外国語映画賞、モスクワ映画祭でグランプリを受賞しています。

デルス・ウザーラは、20世紀のはじめ、アルセーニエフが率いるシベリア探検隊の道案内をつとめた男です。
デルスは自然と溶け合うことを何よりの生き方としています。大自然の中で、”孤高に生きる”彼に、黒澤明監督は称賛を惜しみません。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2022-01-03

NHKBS1で再放送されたドキュメンタリー番組「黒澤明の映画はこうして作られた」を視ていて本篇に賭けた監督黒澤明の作品作りの苦悩と執念が当時のscripterの手記等に依ってもリアルに証されて感動的だった

最終更新日:2024-06-24 16:00:01

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