雨の訪問者 作品情報

あめのほうもんしゃ

その日は雨が降っていた。マルセイユにほど近い海岸町--バスから、グレイのコートに赤いバッグをさげた男が降り立った。メリー(M・ジョベール)は、いぶかしそうにその男を見た。この町には訪れる人も余りなかったからだ。町の、洋服屋で、メリーはその男を見た。というより、その男がメリーをつけているような不気味さがあった。そしてその夜、夫トニー不在の家でメリーはその男に襲われた。夫は飛行機のパイロットで留守がちだ。メリーは、ショット・ガンで地下室にいる男を殺した。証拠を焼き捨て、死体は海へ--。翌日、友人の結婚式で、メリーはドブスというアメリカ人(C・ブロンソン)と知り合った。がっしりして、口ヒゲをたくわえた男は、「なぜあの男を殺した」といきなり聞いてきた。警察も、その殺人事件で動きだした。だが、メリーはドブスに、自分は殺しなどやらない、と言い張った。ドブスの目当ては殺された男のもっていた赤いバッグだった。ドブスはアメリカの陸軍大佐。その赤いバッグには大金がかくされていたのだ。だが、メリーが駅でみつけた赤いバッグには金などなく、夫のトニー(G・テンティ)の写真が入っていた。写真の裏には自分たちの住居が書かれてある。トニーほどうやらパイロットという職業をいいことにして、方々で女をつくり密輸にも関係していたらしい。警視のトゥーサン(J・ギャベン)も友人のニコール(J・アイランド)もくさい。自宅に侵入し、ドブスはメリーをアルコール攻めで拷問した。やがて、殺された男の情婦が犯人としてあげられ、メリーは自分の車の中に金の入ったバッグを見つけた。だが、ドブスはしつようにメリーにつきまとう。被害者の情婦の住んでいたパリを訪れたメリーは、うさんくさい男たちに拷問されたが、かけつけたドブスに救われた。一体メリーに何が起ったのだろう? 雨の訪問者も、金も、何もかも空想好きなメリーの夢だったのだろうか? 本当の犯人は、逮捕された情婦なのかも知れない。友人のニコールと夫との関係を知ったメリーは動てんした。すべてが信じられない悪夢のようだ。やがてドブスはメリーのもっていた大金を手に入れ、雨の午後に起ったことのすべてを知った。海から引き上げられた死体の手の中から、メリーのドレスのボタンが出てきた。だが、不思議なことにドブスはメリーを捕えなかった。証拠のボタンを返しただけ。夫と共にロンドンへ去るメリーを残して、ドブスは港の方へ去って行った。

「雨の訪問者」の解説

雨の降るある日、不気味な男が訪れ、ひとりの女が殺人事件にまきこまれて行く。製作は「さらば友よ」のセルジュ・シルベルマン、監督は「パリは燃えているか」のルネ・クレマン。脚本は、フランス推理小説界の第一人者である「シンデレラの罠」のジャン・セバスチャン・ジャプリゾのオリジナル。撮影はアンドレア・ヴァインディング、音楽は「白い恋人たち」のフランシス・レイ、編集はフランソワーズ・ジャヴェがそれぞれ担当。出演は「さらば友よ」のチャールズ・ブロンソン、「ある日アンヌは」のマルレーヌ・ジョベール、「野性の眼」のガブリエレ・テンティ、ジル・アイアランド、マーク・マッツァ、ジャン・ガヴァンなど。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1970年4月18日
キャスト 監督ルネ・クレマン
出演チャールズ・ブロンソン マルレーヌ・ジョベール ジル・アイアランド マーク・マッツァ ガブリエレ・ティンティ ジャン・ガヴァン
配給 日本ヘラルド映画
制作国 フランス(1970)

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最終更新日:2024-05-06 02:00:04

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