フロム・ダスク・ティル・ドーン 作品情報

ふろむだすくてぃるどーん

冷徹なプロの兄セス(ジョージ・クルーニー)と、残忍で病的な弟リチャード(クエンティン・タランティーノ)の凶悪な犯罪者コンビ、ゲッコー兄弟は銀行を襲撃し、中年の女性銀行員を人質に取り、ニューメキシコに向かって逃走中だった。だが、リチャードが人質を強姦し、惨殺してしまう。2人は仕方なく、新しい人質を探すことにし、同じモーテルに泊まっていた家族に白羽の矢を立て、その親子3人を拉致した。父親のジェイコブ・フラー(ハーヴェイ・カイテル)は元牧師で、妻を亡くしてことから信仰心を失い、19歳の娘ケイト(ジュリエット・ルイス)と16歳の息子スコット(アーネスト・リウ)の3人で、ニューメキシコへ行って新しい生活を始めるためにトレーラー・ハウスで旅をしていた。ゲッコー兄弟は国境越えのためにフラー一家の車で一路メキシコ国境を目指した。一行はケイトの機転で国境警備員(チーチ・マリン)の追求をかわして入国に成功すると、兄弟が仲間と落ち合う予定の酒場「ティティ・ツイスター」に向かった。そこは荒野の真ん中でけばけばしいネオンサインが点滅する不夜城だった。彼らが店に入ろうとすると、客引きのチェット(チーチ・マリン)が引き止めようとしたが、セスが叩きのめし、5人は店に入った。店内は薄暗い照明の下、トップレス・ダンサーたちがエロチックな踊りを繰り広げるいかがわしい雰囲気に包まれ、むさ苦しいバイカーとトラック・ドライバーたちで一杯だった。一行がテーブルに着くと、巨大なニシキヘビを体に巻きつけた美女、“地獄のサンタニコ”(サルマ・ハエック)の妖艶な踊りが始まった。5人がそれに見とれてると、セスに鼻を潰されたチェットがバーテンのレザー・チャーリー(ダニー・トレホ)や用心棒たちと現れ、再び険悪な雰囲気に。ナイフを出して迫るチェットたちに、セスとリチャードは銃を出して威嚇した。が、その時、5人の後ろに立っていたサンタニコの体が宙に浮くと、世にもおぞましいヴァンパイアに変身し、リチャードの首に噛みついた。と同時に、店のあちこちでダンサーや店員たちが変身を始め、客たちは恐怖に絶叫し、逃げまどった。何が起こったか理解できないまま、5人はヴァンパイアに立ち向かい、ほとんどの客が殺される中で、股間に銃を仕込んだバイカーのセックスマシーン(トム・サヴィーニ)やヴェトナム帰りの黒人フロスト(フレッド・ウィリアムソン)の2人の猛者が戦いに加わり、バトルを繰り広げた。だが、リチャードがヴァンパイアに変身し、セスは弟を殺した。続いてセックスマシーンが、次にフロストが変身し、残った人々は彼らを倒す。そして、ジェコブもヴァンパイアに噛まれ、彼は人間としての意識があるうちに子供たちを助けようと決意する。倉庫にあった武器を手に、彼らは店から脱出しようとするが、ついにジェイコブまでも変身した。ケイトは涙ながらに父親を倒すが、その間にもヴァンパイアの群れは増え続けるばかり。スコットも殺され、絶体絶命と思われたその時、セスがこの店で落ち合う約束をしていたカルロス(チーチ・マリン)とその部下が彼とケイト救出し、ヴァンパイアたちは夜明けの太陽光線を浴びて死滅した。セスはケイトに金を渡して別れを告げ、やがて彼女も立ち去った。

「フロム・ダスク・ティル・ドーン」の解説

逃亡中の2人組の凶悪犯とその人質となった牧師一家が、吸血鬼の群れと戦うホラー・アクション。ハードボイルド/フィルム・ノワール調アクションの前半から、スプラッター・ホラーへと、ジャンルが見事に転換する構成がユニーク。オムニバス映画「フォー・ルームス」でも競作した2人の若き鬼才映画作家、「パルプ・フィクション」のクエンティン・タランティーノと「デスペラード」のロバート・ロドリゲスが再びコンビを組んだ一編。特殊メイク工房、K.N.B.イフェクツ・グループのロバート・カーツマンの原案をタランティーノが脚色、監督・編集にはロドリゲスがあたった。製作はジャンニ・ヌナリとメイア・テペル、エクゼクティヴ・プロデューサーはタランティーノ、「レザボア・ドッグス」以来のコンビ、ローレンス・ベンダー、ロドリゲスの共同。撮影は「デスペラード」「フォー・ルームス」のギレルモ・ナバロ、音楽は「ストレンジ・デイズ ―1999年12月31日―-1999年12月31日-」のグレアム・レヴェルで、ZZトップ、スティーヴィ・レイ・ヴォーン、レフトオーヴァーズなどの楽曲が挿入曲として使用している。美術はペルー出身の美術家で「ウォーカー」のセシリア・モンティエル、衣裳はグラシエラ・マゾン、特殊メイクは「マウス・オブ・マッドネス」のK.N.B.イフェクツ・グループが担当。出演はTVドラマ『ER』のジョージ・クルーニー、「フォー・ルームス」のタランティーノ、「ユリシーズの瞳」のハーヴェイ・カイテル、「ストレンジ・デイズ ―1999年12月31日―」のジュリエット・ルイス、「デスペラード」のサルマ・ハエック、「アフター・アワーズ」のチーチ・マリンなど多彩な顔ぶれ。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1996年6月15日
キャスト 監督ロバート・ロドリゲス
出演ハーヴェイ・カイテル ジョージ・クルーニー クエンティン・タランティーノ ジュリエット・ルイス チーチ・マリン チーチ・マリン チーチ・マリン フレッド・ウィリアムソン サルマ・ハエック マイケル・パークス ケリー・プレストン トム・サヴィーニ ジョン・サクソン マーク・ローレンス ジョン・ホークス エイミー・グラハム グレッグ・ニコテロ Mike Moroff ティア・テクサダ
配給 松竹富士(アミューズ=松竹提供)
制作国 アメリカ(1996)
上映時間 119分

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-12

銀行強盗のゲッコー兄弟が、元牧師一家を人質に取り、アメリカとメキシコの国境を越える前半部と、国境近くのバーで、”夕暮れから夜明けまで”の間に展開する後半部。

美女のセクシーなダンスの前で、俳優タランティーノが死ぬ時、お得意のバイオレンス・アクションは、血みどろのスプラッターへと切り替わる。

主役は、クールなギャングスターからハイ・テンションなヴァンパイアへと交代し、当時33歳のタランティーノと27歳のロドリゲスという、才気溢れる映画オタクたちは、そのいい加減さと思いつきの力強さを、我々観る者に見せつけるのだ。

すると、それまでおとなしかった、ジュリエット・ルイスは、みるみる色気を炸裂させ、濃い顔のジョージ・クルーニーは、益々、暑苦しく動き回るのだ。

イカしたセリフとヤンチャなストーリー展開。
青臭い楽しさがいっぱい詰まった、この映画は、理屈抜きに面白い作品だ。

最終更新日:2024-11-06 17:05:52

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