天と地 作品情報
てんとち
1949年、フランス支配下のインドシナの農村で、小作農民のプング(ハイン・S・ニョール)夫婦に女の子が生まれた。未熟児のゆえ間引きを勧められたが、母親のママ・プング(ジョアン・チェン)はこの子にも生きる権利があると断り、レ・リーと名付けて慈しんで育てた。レ・リー(ヘップ・ティー・リー)が10代になったころ、ヴェトナム戦争が勃発。2人の兄はヴェトコンに身を投じて北へ行き、村に残ったレ・リーもヴェトコンのスパイとして働く。だが、南ヴェトナム軍に捕らえられたレ・リーは過酷な拷問を受ける。なんとか兵士を買収して村に戻った彼女に、村人は仲間を売った二重スパイの烙印を押す。身も心も引き裂かれた彼女は、ママと一緒にサイゴンを出る。闇市でたくましく生きる2人。裕福な妻帯者との初恋、妊娠、出産を経て、娼婦にまで身を落としたレ・リーの前に、アメリカ海兵隊のスティーヴ・バトラー少佐(トミー・リー・ジョーンズ)が現れる。彼はレ・リーを真剣に愛し、彼女もまたそれを受け入れる。北の攻撃が激しさを増したころ、彼女の胎内に愛の結晶が宿った。1975年、彼らは2人の子どもを連れ、夫の故郷サン・ディエゴへ向かう。異国からの花嫁を迎えたのは、スティーヴの母アビゲイル(デビー・レイノルズ)だった。最初は、なじめなかったアメリカ社会にも順応し、小さな事業をまかせられるまでになる。だが、第三子をもうけたころからスティーヴの戦争後遺症が顕著となり、夫婦の間がおかしくなった。悩み抜いた末に離婚を決意するレ・リー。離婚訴訟の準備のさなか、スティーヴは絶望感からみずからの命を絶った。彼女は今さらながら彼の愛情を感じるが、すべては遅かった。1986年、苦難の末にアメリカで成功したレ・リーは、14年ぶりに故郷の土を踏む。彼女は老いたママと今では政府の高官になっている兄との感動の再会を果たした。
「天と地」の解説
ゲリラから娼婦に、そしてアメリカ軍人と恋に落ちて渡米、異なる文化圏での生活を経た後に、再び祖国の地を踏んだヴェトナム人女性の数奇な運命を通して、ヴェトナム戦争の意味を問う大作。実在する女性レ・リー・ヘイスリップの同名回顧録を原作に、「JFK」のオリヴァー・ストーンが監督・脚色。「プラトーン」「7月4日に生まれて」とともにストーンの「ヴェトナム三部作」を成すといわれる。製作はA・キットマン・ホーとロバート・クライン。エグゼクティヴ・プロデューサーは「スリー・リバーズ」のアーノン・ミルチャンと「クリフハンガー」のマリオ・カサール。撮影はストーン作品の常連であり「ア・フュー・グッドメン」のロバート・リチャードソンがそれぞれ担当。音楽は日本から「十五少女漂流記」の喜多郎が参加している。主演は本作が映画初出演のヘップ・ティー・リーと「JFK」のトミー・リー・ジョーンズ。「抱きしめたいから」のジョアン・チェン、「キリング・フィールド」のハイン・S・ニョール、「ハリウッドにくちづけ」のデビー・レイノルズらが脇を固めている。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1993年12月25日 |
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キャスト |
監督:オリヴァー・ストーン
出演:トミー・リー・ジョーンズ ヘップ・ティー・リー ジョアン・チェン ハイン・S・ニョール デビー・レイノルズ |
配給 | ワーナー・ブラザース映画 |
制作国 | アメリカ(1993) |
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