ロング・グッドバイ 作品情報

ろんぐぐっどばい

靴をはいたままベッドでうたた寝をしていた私立探偵マーロー(エリオット・グールド)は、腹をすかせた猫に起こされてしまった。真夜中の3時、あいにくペットフードを切らせてしまい、オールナイトのスーパー・マーケットへと車を走らせる。だが、いつものカレー印の缶が売り切れ、別の缶を買ってきて与えると、猫は口もつけずにふらりと外に出ていってしまう。猫と入れ代わりに友人のテリー・レノックス(ジム・バウトン)がやってきた。夫婦喧嘩の末、家を飛び出し、頭を冷やしにメキシコに行くという彼を、マーローはメキシコ国境の町まで車で送る。だが翌朝帰ってくると、警察の訪問でテリーの妻が殺されたことを知る。テリーを匿っていると疑われたマーローは警察にしょっぴかれるが、なぜか3日後に釈放される。テリーがメキシコのある町で自殺したというのだ。翌日、マーローの元に高名な作家ロジャー・ウェイド(スターリング・ヘイドン)の妻アイリーンから、行方不明の夫を捜してほしいと依頼が入る。早速、高級住宅地のマリブ・コロニーにあるウェイドの家を訪ねたマーローは、夫人から「助けて下さい。ドクターV」と書かれたメモを見せられ、調査に乗り出す。“ドクターV”とは、神経科のヴァーリンジャー博士(ヘンリー・ギブソン)のことだった。作品が書けなくなったウェイドは酒に溺れ、ヴァーリンジャーの病院にたどり着いていた。さっそくウェイドを病院から連れ戻して、一件落着かと思いきや、マーローがアパートに戻ると、いきなりマーティ(マーク・ライデル)率いるやくざたちに取り囲まれる。彼らはテリーの持ち逃げした大金35万ドルをマーローが隠していると信じていた。マーローが一味の車を尾行すると、車はウェイドの家に入っていった。事件の複雑さに行き詰まりを感じたマーローは、テリーが自殺したというメキシコの田舎町オタトクランを訪れるが、何の手がかりもつかめない。再度、ウェイドの家を訪ねると、ビーチ・パーティの最中で、ウェイドは多額の診察料を請求するヴァーリンジャーとトラブルになっていた。その夜、酔ったウェイドは海に入り、高波にのまれて死んでしまう。マーローは35万ドルの行方を追うマーティに再び捕らえられ、あやうく拷問されそうになるが、誰かから突然金が返ってくる。解放されたマーローの前をウェイド夫人の乗った車が走り抜けて行く。必死に走って追いかけるマーローは車にはねられ、病院にかつぎこまれる。幸いに怪我はたいしたことなく、その足でウェイド家に行ってみるが、夫人はすでに引っ越した後だった。ウェイド夫人の暗躍にテリーの存在を感じたマーローは、再度メキシコに飛ぶ。検死官に5千ドルの賄賂を握らせると、テリーの死が偽装自殺であったことが明らかになる。ウェイド夫人はテリーの愛人だったのだ。いまやテリーはウェイドの莫大な遺産を手中に収め、のうのうと暮らしていたのである。男の友情に裏切られたマーローは、テリーに銃口を向けて引き金を引いた。並木道でジープに乗ったウェイド夫人とすれ違ったマーローは、気付かぬふりをして黙って立ち去っていくのだった。

「ロング・グッドバイ」の解説

ロサンゼルスのネオンの中を事件を求めて、一抹の感傷を抱いてさまよう私立探偵フィリップ・マーロウを主人公とするレイモンド・チャンドラーの小説の映画化。監督は「ギャンブラー」のロバート・アルトマン。脚本はチャンドラーの『大いなる眠り』の映画化「三つ数えろ」の女性脚本家、リー・ブラケット。主演はアルトマン作品「「M★A★S★H マッシュ」のエリオット・グールド。原作とは時代設定を変え(50年代から70年代に)、後半の展開も違っている。「ロバート・アルトマン傑作選」(2023年5月26日~、東京・角川シネマ有楽町ほか)上映作品。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1974年2月23日
配給 ユナイト映画
制作国 アメリカ(1973)
上映時間 113分

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2019-08-28

ステイーブン・ソダバーグ監督のヒットシリーズの初発作品〈オーシャンズ11〉を視ていて流石にソダバーグ監督たっての指名のcastingに本エリオット・グルードの名前が挙がったと言う。本篇等で魅せる彼の持ち味がそんな映画にも大いに活かされたんだ!貫禄が在って初々しくて…

最終更新日:2023-12-02 02:00:03

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