燃える戦場 作品情報

もえるせんじょう

1942年11月。南太平洋上ニュー・ヘブリデス島ではジャングルを隔てて日本軍とイギリス軍が対峙し、戦闘は膠着状態に陥っていた。日本軍はジャングルの奥深く無線通信所を持ち、他島との連絡がつくため、この方面の制空・海権は日本軍が握っていた。そのため、アメリカ軍機動艦隊は行動を著しく制約されていた。そこで、日本語のできる将校をイギリス軍に派遣し通信所を破壊、首尾よく成功したら逆無線を利用し、偽の連絡を出して日本軍を混乱させようという計略を立てた。アメリカ海軍のジョン・ノーラン大佐(ヘンリー・フォンダ)は、この任務を友人のサム・ローソン中尉(クリフ・ロバートソン)に負わせた。彼は、厭戦の気持ちが強い男だったが、命令であった。ヘブリデス島のイギリス部隊長はトンプソン中佐(ハリー・アンドリュース)だった。直ちに破壊工作隊が組織され、指揮官はホーンスビー大尉(デンホルム・エリオット)以下13名、その中にトッシュ・ハーン衛生兵(マイケル・ケイン)がいた。大尉はあまり有能ではなく、日本軍と遭遇した偵察隊は数名の犠牲者を出した。その戦闘中、キャンベル一等兵は戦死した日本兵の指を切り落として指輪を盗んだ。ハーン衛生兵は犠牲者を出した大尉の責任を追及して逮捕された。その後も色々な摩擦が起き、通信兵スコットが川に落ちて逆無線用の無電器をこわしてしまった。このため、大尉は破壊する前に日本軍の無電機を使う決心をした。ローソン中尉は反対だったが、無線通信所を見つけ、夜陰に乗じ、破壊工作が開始された。ホーンスビー大尉、スコットと次々乗り込んだが、ローソン中尉は木陰に隠れたまま動かなかった。夜襲に気付いた日本軍と激しい戦闘が始まった。それでもローソン中尉は動かなかった。無電機は破壊したが、大尉は戦死した。生き残った偵察隊は退却中、日本軍の空軍基地を発見、そこには爆撃機が隠されていた。帰還を急ぐ彼らに、突如ジャングル内の拡声器から英語で呼びかけてきた者がいた。日本軍の山口少佐(高倉健)であった。降伏すれば1週間後に釈放し、降伏しなければ捕らえて死刑に処すと言った。隊員達は動揺した。その夜、皆が寝しずまるとキャンベル一等兵が、重傷のソーントン一等兵(イアン・バネン)を殺し、他の戦友を誘って脱走した。残ったのはローソン中尉とハーン衛生兵だった。基地へ急ぐ2人に再び山口少佐の声が聞こえてきた。脱走した戦友を捕らえたというのだ。そして指輪を持っていたキャンベル一等兵は処刑し、他の戦友の命は2人が降伏するか否かにかかっていると言った。ローソン中尉は引き返すというハーン衛生兵の銃を取りあげ、彼を促して基地へ向かった。翌日未明、2人は山口少佐の呼びかけで、袋の鼠となったことを知った。そこで2人は、逆に少佐の声を手ずるに引き返して、山口少佐を狙撃した。2人は基地に近いジャングルの端まで逃げのびた。そこから基地までは遮蔽物のまったくくない平野だった。ジグザグ・コースに飛び出した2人にイギリス軍の援護射撃も加わった。しかし、基地にたどりついたのはハーン衛生兵ひとりであった。先刻射たれたのは誰かと聞かれた彼はこう答えた。「あれは英雄だ!」

「燃える戦場」の解説

第二次大戦下の南太平洋のある島で、日本軍とイギリス軍の激しい死闘を描いた戦争映画。製作・監督を「特攻大作戦」のロバート・アルドリッチ、共同製作ウォルター・ブレイク、原案はアルドリッチとロバート・シャーマン、同じくアルドリッチが「特攻大作戦」のルーカス・ヘラーと共同脚色。音楽は新人ジェラルド・フリード、「飛べ!フェニックス」のジョセフ・バイロックが撮影。出演は「大侵略」のマイケル・ケイン、68年に「まごころを君に」でアカデミー賞を得たクリフ・ロバートソン、「飛べ!フェニックス」のイアン・バネン、「大侵略」のハリー・アンドリュース、「茂みの中の欲望」のデンホルム・エリオット、「飛べ!フェニックス」のロナルド・フレイザーなど。他に御存知、東映のエース高倉健、最近「絞殺魔」に出演したヘンリー・フォンダが特別出演している。メトロカラー・ビスタビジョン。1970年作品。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1970年10月10日
配給 20世紀フォックス
制作国 アメリカ(1970)
上映時間 133分

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最終更新日:2022-07-26 11:04:01

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