誇りと情熱 作品情報
ほこりとじょうねつ
砲身9メートル、車輪2メートル、着弾距離2哩の威力をもつ巨大な大砲も、敗戦で撤退するスペイン北方軍にとっては無用の長物であった。フランス軍の包囲網を突破するに当り、司令官はついに、この大砲を渓谷に棄てさせた。これを山陰に身をひそませて見守っている一団のゲリラ部隊があった。フランス軍領下にあるアヴィラの町から脱出して来た人々で、隊長は靴屋の息子ミギュエル(フランク・シナトラ)。この荒くれ者に交わって、ただ1人ジュアナ(ソフィア・ローレン)という若い美しい女性がいた。一方、その頃イギリス海軍はこの巨砲の行方を探していた。軍艦にこれを備えれば無敵となるからだ。海軍大佐アンソニー・トランベル(ケーリー・グラント)は命を受け、出発したが、途中ゲリラ隊に包囲され、ミギュエルのもとに引出された。大佐は大砲を海岸へ運ぶつもりなのだが、ミギュエルの方でもそれを手放す気は毛頭なかった。ミギュエルには大砲の威力で、故郷アヴィラの町を奪還する大望がある。町では、日毎に10名ずつの同胞が、フランス軍の手で絞首刑にされているのだ。大佐とミギュエルは歩み寄り、アヴィラの敵占領軍を撃滅させた上で大佐の手に大砲を渡す、ということにした。谷底から大砲を引き上げたゲリラ隊は、さまざまな苦難を繰り返しながら大砲を曳いてアヴィラへの道をたどって行った。日がたつにつれミギュエルの野性味に虜われていたジュアナの心は、教養ある大佐に魅かれるのを感じた。彼女は、もと貴族の娘だが父と兄をフランス軍に殺されてから、この反抗運動に加わったのだ。大砲を曳いて進むうち、敵大軍に遭遇したゲリラ隊は、大佐が決死の橋梁爆破により救われた。また敵軍の監視の中を白昼突破出来たのも大佐の機知によるものだった。かくて、ようやくアヴィラの平原を見下ろす台地に着いたゲリラ隊は、夜を待って大砲を据えつけた。そして夜明けを期して総攻撃の火ぶたを切ることになった。その夜、大佐の傍にジュアナが訪れ、愛の告白と最後の別れを告げた。--砲撃が始まった。巨砲の威力凄まじく、城壁は瞬時に撃破された。ゲリラ隊は突撃した。相次いで倒れる隊員。平野は血河に化したが、ついに城内突入に成功、敵司令官は降伏した。城壁に立った大佐の眼に、突破口で戦死しているミギュエルとジュアナの骸が映った。--やがて、解放された市民の歓呼の中を約束通り大砲をイギリス艦隊に持ち帰る任務についた大佐の姿があった。
「誇りと情熱」の解説
C・S・フォレスターのベストセラー小説「大砲」から材をとり、スペイン独立戦争の暗黒期を描いたスペクタクル篇。製作のスタンリー・クレイマーが「見知らぬ人でなく」に次ぎ自ら監督し、脚色者には前作同様アルハント夫妻を起用した。撮影は同じく「見知らぬ人でなく」のフランツ・プラナー、音楽はジョージ・アンシール。主演は「泥棒成金」のケーリー・グラントが久々に登場するほか、「八十日間世界一周」のフランク・シナトラ、「サンチャゴ」のソフィア・ローレンなど。
公開日・キャスト、その他基本情報
配給 | 松竹=ユナイト |
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制作国 | アメリカ(1957) |
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