バンド・ワゴン(1953) 感想・レビュー 4件

ばんどわごん

総合評価5点、「バンド・ワゴン(1953)」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-20

なぜ? が許されない何でもありのミュージカルの世界であってみれば、観る者はただ、アステアがすべてを肯定するように、軽やかにタップを踏むたびに訪れてしまうに違いない、この世ならぬ幸福に身を任せればいいんですね。

そしてまた、その幸福な記憶はあくまでハリウッド全盛時代のスタジオ・システムの産物であったミュージカル映画が、やがて衰退の運命を辿った後も、「女は女である」のゴダールは言うに及ばず、ジョン・ヒューストンの「アニー」やら、はたまた「ロッキー・ホラー・ショー」に至るまで幾多の映画作家の手によってスクリーンの中に蘇ることになるんですね。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-20

フレッド・アステア演じる落ち目のハリウッドのミュージカル・スター、トニー・ハンターが古巣のブロードウェイに戻り、そしてカムバックを賭けたミュージカル・コメディ「バンド・ワゴン」のリハーサルが、開始される-----という入れ子構造でストーリーが進行する。

典型的なバック・ステージ物の体裁をとったこの作品でもそれはやはり、あますところなく発揮されている。

この映画でなんといっても美しいのは、最初、衝突していたアステアと相手役のバレリーナ、シド・チャリシーが、はじめて互いに心を許し合って公園のベンチを前に、いつまでも緩やかにステップを踏み続ける、あのいささか唐突とも思えるシーンだ。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-20

現在にまで至るミュージカル映画の基本的なスタイルを生み出したという意味で、その代名詞的存在なっているのが、1940年代から1950年代にかけての一連のアーサー・フリード製作による50本近くに及ぶ、いわゆるMGMミュージカルであり、それらを特徴づけていたのは、スタジオ内に建てられた、めくるめくような人工的セットで、華麗な歌と踊りの物語が繰り広げられるという、ショーとドラマが一体化した、"アンチ・リアリズム"の織り成す至福の境地であった。

かつての人気ダンサー、トニー・ハンターは、昔馴染みの夫婦に書いてもらった台本で、再起を図ろうとするが、相手役の人気バレリーナとは喧嘩ばかり。
おまけに、演出家はコメディのはずのこの舞台を、どうやら現代版ファウストに仕立て上げようとしているらしい。
そんな中、開幕の日は、刻一刻と迫ってくるが-------。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2018-06-09

先日、「画家いわさきちひろ」のドキュメンタリー映画「27才の旅立ち」を観ていたら戦後、東京・神田・神保町界隈の映画館に通い詰めてフレッド・アステアやジンジャー・ロジャーズのミュージカルに憧れた画家志望のepisodeが出て来た。きっとミュージカル映画の名篇の本編も其の一本だったに違いない…。映画「ラ・ラ・ランド」でもエマ・ストーン演じる女優志願の女性が登場し、本編へのオマージュ・シーンが再現されていると云うー。黄金期のハリウッドの音楽映画への憧れが画家やジャズ・ピアニストや女優、はたまた映画監督と言うアーチストを育てたんだね🎵💃🕺🎶🎹

最終更新日:2024-05-30 16:00:01

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