ナイト・オン・ザ・プラネット 作品情報

ないとおんざぷらねっと

〈ロサンゼルス、午後7時7分〉ワゴン・タクシーの運転手コーキー(ウィノナ・ライダー)が乗せた客はキャスティング・エージェントのヴィクトリア・スネリング(ジーナ・ローランズ)。新作の女優を探すのに苦労するヴィクトリアは、乱暴な言葉使いだが生き生きとしたコーキーに映画に出ないかと誘うが、彼女は整備工になる夢があるから、と断わる。ヴィクトリアは残念そうに、しかし少しうらやましげに見送る。 〈ニューヨーク、午後10時7分〉寒い中、若い黒人の男ヨーヨー(ジャンカルロ・エスポジート)がやっと拾ったタクシーの運転手ヘルムート(アーミン・ミューラー・スタール)は、東ドイツからの移民で今日が初仕事。運転もろくにできず、たどたどしい英語を喋るヘルムートにイラつくヨーヨーだったが、言葉をかわすうち、昔、道化師だったという彼に打ち解ける。夜道で会った妹アンジェラ(ロージー・ペレズ)を連れてヨーヨーは家へ帰り、ヘルムートは夜の街へと消えてゆく。 〈パリ、午前4時7分〉酔客に腹を立て彼らを追い出したコートジヴォアール人運転手イザーク(イザーク・ド・バンコレ)のタクシーに、盲目の若い女(ベアトリス・ダル)が乗り込んでくる。道順を指図し、トンネルに入って「この道じゃないわ」と注意する女にムッときたイザークは「俺の肌の色が分かるか」と絡み、女はすまして「私は色を感じるのよ」と言った上にイザークの出身地まで当ててしまう。目的地に着き、ロワーズ河岸を歩く女の耳に、車が衝突する音と「お前は見えてるのか!」とイザークを罵る声が聞こえる。 〈ローマ、午前4時7分〉無線相手に喋りまくっていた運転手ジーノ(ロベルト・ベニーニ)は神父(パオロ・ボナチェッリ)を乗せる。勝手に懺悔を始めたジーノの破廉恥な言葉に心臓の弱い神父は薬を取り出すが、ジーノの急ブレーキで落としてしまう。更に続くジーノの言葉に神父は逐に心臓が止まってしまい、ようやくことの重大さに気づいたジーノは死体を降ろして公園のベンチに座らせ、開いたまま死んだ神父の目に自分のサングラスをかけて逃げ出す。〈ヘルシンキ、午前5時7分〉雪の街で運転手ミカ(マッティ・ペロンパー)は、酔いつぶれた男アキ(トミ・サルミラ)と同僚の労働者2人(カリ・ヴァーナネン)(サカリ・クオスマネン)を乗せる。アキにとって今日がどんなに不運な1日であったかを説明する2人に、ミカは自分の体験を語り始める。やっと生まれた赤ん坊が早産で、1週間も持たないと医者に宣告された。ミカと妻は愛情を押し殺していたが、赤ん坊は小さな体で生き続けた。「あなたは間違っている、あの子を愛してあげましょう」愛情を注ごうと決心した翌朝、赤ん坊は息を引き取った。2人は悲しい話に啜り泣き、ミカを抱擁して車を降りていく。残った酔っ払いアキの無事を見届けて、ミカのタクシーは雪の街路を走り去る。

「ナイト・オン・ザ・プラネット」の解説

世界の5つの都市のタクシーの中で同じ時間に起こる出来事を繋いでいく、「ミステリー・トレイン」のジム・ジャームッシュ監督・脚本作。今回は製作もジャームッシュ自身、エグゼクティヴ・プロデューサーはジム・スターク、撮影は「ワイルド・アット・ハート」のフレデリック・エルムス、音楽は「ダウン・バイ・ロー」のトム・ウェイツが担当。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1992年4月25日
キャスト 監督ジム・ジャームッシュ
出演ウィノナ・ライダー ジーナ・ローランズ ジャンカルロ・エスポジト アーミン・ミューラー=スタール ロージー・ペレズ イザアック・ド・バンコレ ベアトリス・ダル ロベルト・ベニーニ パオロ・ボナチェリ マッティ・ペロンパー カリ・ヴァーナネン サカリ・クオスマネン トミ・サルミラ
配給 フランス映画社
制作国 アメリカ 日本(1991)
上映時間 129分

(C) 1991 Locus Solus Inc.

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ユーザーレビュー

総合評価:4.67点★★★★☆、3件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-01-30

変幻自在な監督ジム・ジャームッシュ振りが堪能出来る。ラストのヘルシンキはフィンランドの名匠アキ・カウリスマキ監督作品を彷彿させる見たいで哀愁を帯びたepisode何だ

最終更新日:2024-11-22 02:00:04

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