テレフォン 作品情報

てれふぉん

1月10日、モスクワ。市内の閑静なアパートの中に銃を手にした男達が消える。指揮をとっているのは、KGB長官ストレルスキー将軍(パトリック・マギー)と、副官マルチェンコ大佐(アラン・バデル)。だが逮捕しようとしたダルチムスキー(ドナルド・プレザンス)はいなかった。1月17日、アメリカはコロラド州デンバー。ハイウェイ沿いの修理工場に電話が鳴る。出た店主に、「森は美しく、暗く、深い。だが誓いを果たし、眠るまでの道は遠い……」。この言葉と共に、暗示にかかった男は、隠してあった爆弾を車に積み陸軍基地に車ごと乗りこみ、基地は大爆発をおこした--。1月18日、バージニア州CIA本部。CIA副長官サンドバーグ(フランク・マース)は、この事件を知るが、この機能の停止した基地を選んだ理由がつかめなかった。そんな彼のところへ、コンピューター・プログラマーのドロシー(タイン・デイリー)が、最近ソ連で24人もの極論派のスターリン主義者が粛清されたことをつたえる。1月20日、フロリダ州アパラチコラ。小型機でチャーター業をしている男の所に、例の電話が……。でも小型機の海軍基地への体当りは失敗した。このニュースをTVでみて愕然とした男がいた。ダルチムスキーだ。1月24日、モスクワ。KGB本部にボルゾフ少佐(チャールズ・ブロンソン)がよばれる。そこで彼は、アメリカでの一連の事件を聞かされ、ダルチムスキー殺害を命じられた。事件の背景とは、まだ米ソが冷戦のころ、KGBにより洗脳された51人の人間がアメリカに送りこまれ、命令により破壊活動をするようにされていたのだ。だが、今の時代となっては、この『テレフォン作戦』も必要なくなった。しかし、ダルチムスキーはこの51人をリストアップしてアメリカへもぐりこんだのだ。早く彼を殺さねば……。ボルゾフは51人の名を覚え、旅立った--。1月26日、カナダのカルガリー空港。ボルゾフを迎えたのは、KGBの人間バーバラ(リー・レミック)だった。夫婦に扮した2人は、アメリカへと向かう。1月27日、ロサンゼルス。国際電話局が牧師によって爆発され、牧師は重傷のまま病院にかつぎこまれた。1月28日、サンタモニカ。病院についたボルゾスとバーバラは、牧師を殺す。1月29日、モスクワ。KGB長官は『テレフォン作戦』を一切抹殺するため、何も知らないバーバラにボルゾフを任務完了後殺すよう命令する。同じ頃、ボルゾフは、バーバラに殺す男を教え、一方彼女は彼に好意をいだき始めていた。その頃、ニューメキシコ州ケンブリッジで山中のロケット試射場が爆破される。ボルゾフはあせり、ダルチムスキーが、自分の同じイニシャルの人間に次々と指示をあたえているのに気づいた。次の文字はH。ヒューストンだ。ボルゾフは飛ぶ。1月30日、テキサス州ヒューストン。ボルゾフがその男の暗躍を阻止している頃、バーバラはサンドバーグと連絡をとっていた。彼女はCIAの二重スパイなのだ。ボルゾフ殺しを命ぜられる彼女。ダルチムスキーは、街角にすぐに姿をけしていた。次はホルダービルだ。1月30日、テキサス州ホルダービル。ボルゾフは先まわりしてその土地の男を殺し、ついに姿を現わしたダルチムスキーを追いつめ、ついに電話ボックスの中で殺した。やがて、サンドバーグの元へ、バーバラから電話が入った。「ダルチムスキーは死んだワ。これから私とボルゾフは、姿をけし足を洗うの。行方をさぐろうとしないでね。もしさぐったら、また方々で電話が鳴るわよ」と--。

「テレフォン」の解説

米ソが共存の世界へ第一歩をふみ出そうとした中で、過激なスターリン主義者の計画を阻止しようとするKGB諜報員の活躍を描くスパイ・アクション。製作はジェームズ・B・ハリス、監督は「ドラブル」のドン・シーゲル、脚本はピーター・ハイアムズとスターリング・シリファント、原作はウォルター・ウェイジャー(早川書房刊)、撮影はマイケル・バトラー、音楽はラロ・シフリン、プロダクション・デザイナーはテッド・ハワース、編集はダグラス・スチュワートが各々担当。出演はチャールズ・ブロンソン、リー・レミック、ドナルド・プレザンス、タイン・デイリー、アラン・バデル、パトリック・マギー、シェリー・ノース、フランク・マースなど。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1978年4月8日
配給 MGM映画=CIC
制作国 アメリカ(1976)
上映時間 117分

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-13

米ソの冷戦下、KGBが薬物催眠で洗脳した、50人のスパイを米国に送り込み、破壊活動を行なわせたテレフォン作戦。

だが、冷戦終結間近、忘れ去られたこの作戦を、再び決行しようとする、過激なスターリン主義者がいた。

この映画「テレフォン」は、その男の抹殺に、KGBの少佐チャールズ・ブロンソンが挑むという作品だ。

職人監督のドン・シーゲルの歯切れのいい演出が冴える、アクション・スリラーの傑作で、睡眠と完全記憶を取り入れたプロットが、実に秀逸だ。

ピーター・ハイアムズが脚本に参加していて、ラストのオチも観る者を鮮やかに裏切ってくれる。

最終更新日:2023-12-23 16:00:01

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