恋人よ帰れ!わが胸に 感想・レビュー 2件
こいびとよかえれわがむねに
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P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-06-01
※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]
ただし、この快調なテンポはそう長く続かない。
特に、ハリーの別れた妻が悪計に加担するあたりから、話のスピードや皮肉が急に落ちるのだ。
それでも、臭いほどにあくどいウォルター・マッソーの芝居は、実に上手い。
この映画が撮られた1960年代後半のハリウッド・コメディは、少し前から非常に難しい状況を迎えていたと思う。
そして、この直後には、アメリカン・ニューシネマの洪水が始まるのだ。
詐欺や人種問題の扱い方を見ても、「恋人よ帰れ! わが胸に」は、そんな大きな時代の端境期を反映したコメディだと言えそうだ。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-06-01
名匠ビリー・ワイルダー監督が、「恋人よ帰れ! わが胸に」を撮った時、すでに彼のピークを過ぎていた。
「お熱いのがお好き」「アパートの鍵貸します」「あなただけ今晩は」と4年間に3本もコンビを組んだジャック・レモンとも、しばらく離れていた。
しかも、この作品の前作「ねえ! キスしてよ」の評判は、あまり芳しいものではなかった。
つまり、当時60歳のビリー・ワイルダー監督は、それなりの覚悟を決めて、この「恋人よ帰れ! わが胸に」を撮らなければならなかったはずだ。
その意気込みは、序盤の快調なテンポに表れている。
物語の舞台は、クリーヴランドのフットボール・スタジアム。
ライン際でゲームを撮っていた、TVのカメラマンのジャック・レモン扮するハリーは、ブラウンズの選手に激突され、病院に運び込まれる。
そこへ真っ先に駆けつけたのは、義兄のウォルター・マッソー扮するウィリーだった。
悪徳弁護士のウィリーは、テレビ局や球団から巨額の賠償金をむしり取ろうと画策を始める。