コードネームはファルコン 作品情報

こーどねーむはふぁるこん

1973年、クリス・ボイス(ティモシー・ハットン)は、神学校をやめ、父(パット・ヒングル)の紹介で防衛産業の大手、TRW社に入社した。資料管理の仕事から国防総省関係の部署に配属され、すべてが最高機密とされているブラック・ボールト(黒い情報密室)に出入が許されるようになった。そこにはCIAの選挙操作などダーティな機密がつまっていて、正義感の強い理想主義者のクリスを打ちのめした。ドールトン・リー(ショーン・ペン)はクリスと教区学校時代からの親友だが、ヘロインにとりつかれて今はメキシコに逃れていた。クリスは不正を憎むあまり、ドールトンは金のために、ブラック・ボールトの最高機密をソ連に売ることに決める。ン連大使館のオカナ(デイヴィッド・スーシェ)との直接取り引きを担当したドールトンは重ねる度に巧妙な手口を身につけ、より多額の金を吹っかけるようになる。ソ連側ではある周波数を知る必要があり、まだ会ったことがないクリスからその情報を仕入れよと、ドールトンに依頼してきた。クリスは一担はこれに応じるがだんだんドールトンがスパイの深みに溺れていくのがこわくなり、この仕事から手を引こうとする。しかし、ドールトンが保守的な父親にバラすと脅迫してきたので仕方なくメキシコに赴き、オカナに直接交渉するがはねのけられる。CIAとKGBが怖くなったクリスはガールフレンドのラナ(ロリ・シンガー)とも別れ、最後に10万ドル相当の商売をしてTRWをやめようとするが時すでに遅く、ドールトンはメキシコで身に覚えのない殺人容疑で逮捕され、やっと釈放されて家に帰ったところでクリスともども逮捕された。2人は終生刑務所暮らしを強いられるような重い判決を受けたが何不自由ない環境で育った若い彼らがなぜこんな危険を犯したのかその動機は不明である。

「コードネームはファルコン」の解説

2人のアメリカ青年をスパイ活動に駆りたてた複雑な人間関係と政治的背景を描くスパイ・アクション。製作はガブリエル・カッカとジョン・シュレシンジャー、エグゼクティヴ・プロデューサーはジョン・デイリー、共同製作はエドワード・ティーツ、監督は「ヤンクス」のシュレシンジャー、原作はロバート・リンゼイ(河出書房刊)、脚本はスティーヴン・ザイリアン、撮影はアレン・ダヴュー、音楽はパット・メセニーとライル・メイズが担当。出演はテイモシー・ハットン、ショーン・ペンなど。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1985年10月20日
配給 ワーナー映画
制作国 アメリカ(1985)

ユーザーレビュー

総合評価:4点★★★★、2件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2024-05-31

この映画「コードネームはファルコン」は、アメリカで現実に起きた実在の事件を、「真夜中のカーボーイ」「マラソンマン」のイギリス出身のジョン・シュレシンジャー監督の目を通して、再現した実録スパイ・サスペンス映画とも言える作品です。

スパイ映画と言っても「007」シリーズのような、スーパーヒーローが活躍する話ではありません。
この映画の主人公は、神学校をやめ、カレッジへ戻ろうと考えた青年で、元FBI局員の父の世話で防衛産業に就職します。

しかし、機密文書が往来する中、CIAの謀略で、とある小国に動乱が起き、リーダーの交代が行なわれているのを知ると、彼は理想主義、道徳観から衝動的に機密事項をソ連に売り渡そうとするのです。
受け渡しの使者となるのは、彼の幼馴染で麻薬の密売をしている親友----。

アメリカ全土を騒がせたこのスパイ事件を、青年たちとソ連との取引という、サスペンスの香りをまぶしながら、ジョン・シュレシンジャー監督は、究極はアメリカ、その理想主義の崩壊として冷静な視点で見つめていきます。

最終更新日:2024-06-10 16:00:02

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