グロリア(1980) 感想・レビュー 3件

ぐろりあ

総合評価5点、「グロリア(1980)」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
なし
投稿日
2024-06-08

※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]

少年の母親の必死の頼みに、グロリアは最初こう言って断る。
「子どもは嫌いなのよ。特にあんたの子はね。」実に、ハッキリした物言いの女だ。

孤独を引き受けてタフに生きる女は、優しさの安売りなど決してしない。
だが逆に、孤独を知っているからこそ、本当の優しさを心に隠し持っているんですね。

少年の生死を分ける切羽詰まった状況で、グロリアは少年を見捨てられず、彼をかくまってやることになる。

追って来る組織のチンピラどもに立ち向かうグロリアの凄み、これが非常にシビレるほどカッコいい。
「撃ってごらんよ、このパンク!」、ピストルを構えるその足元はハイヒール。スーツはエマニュエル・ウンガロ。

疲れた顔の中年女が、かつてこれほどクールだった事はなかったと思います。
全く、ジーナ・ローランズには痺れてしまいます----------。

安ホテルを泊まり歩く逃避行の中、グロリアと少年の信頼の度は、しだいに深まっていくのだが、グロリアの態度がこれまたクールなのだ。
少年に対して、可哀想な子供扱いは一切なし。

夜、寝る前に、自分のスーツをバスルームに下げてシワを取るようにと少年に言いつけたりする。 一方、少年の方は母親に言いつけられて、それをやるという感じではなく、何か同志のサポートをしているふうに見えてしまう。 一度、グロリアが少年に朝食を作ってやろうとする場面は、私がこの映画の中で最も好きなシーンだ。 フライパンで卵を焼いてはみたが、コゲついてしまい、グチャグチャになってしまう。 すると、いきなりフライパンごとゴミ箱に投げ捨てるグロリア。 結局、朝食はミルクのみ----------。 コワモテの女の優しさが乱暴な形で出るところが、いかにもグロリアらしくて、実にグッとくるのだ。 この映画は、ハードボイルドの衣をまとった「家族の物語」だと言えると思います。 グロリアと少年フィルの関係を通じて、カサヴェテス監督が描こうとしたのは、人種や血縁の壁を超えた、新しい人間関係の可能性と、その温もりだと思います。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-06-08

女ハードボイルドの決定版「グロリア」は、タフで泣かせるラブストーリーの傑作ですね。

監督は、"アメリカン・インディーズの父"と呼ばれ、性格俳優としても知られる映画作家のジョン・カサヴェテス。

ハリウッドのシステムを嫌い、独自のゲリラ的な手法での映画作りの姿勢を貫いてきたカサヴェテス監督は、従来の映画には見られなかった、即興的なカメラワークと演技指導で映画に革命を起こした人ですね。

元ヤクザの情婦グロリア(ジーナ・ローランズ)とスペイン人の少年フィル(ジョン・アダムス)の関係は、母子愛的なものだが、二人が心を通わせていく様子は、大人の恋愛以上に絆の強さを感じさせてくれます。

グロリアは元々、子供とは縁のない世界で生きてきた女だ。
それが、同じアパートに住むギャング組織の会計士一家が惨殺された現場に居合わせたお陰で、その家族の少年を預かる羽目になる。

P.N.「ポン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2017-11-13

自宅にDVDソフトがありますが、劇場スクリーンで見たかったので出掛けてきました。
いいねえ! ジーナ・ローランズ最高ですわ!
映画『グロリア』は、断然ジョン・カサヴェテス監督作版>シドニー・ルメット監督作版です!!
個人的にはこの年のアカデミー賞主演女優賞は、『歌え!ロレッタ愛のために』のシシ―・スペイセクではなく、グロリア姉さんが受賞すべきだったと思うなあ…。
★10個でもいいくらいだ!

最終更新日:2024-11-22 02:00:03

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