P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★☆☆☆
- 投稿日
- 2024-05-20
明治維新前夜の1856年夏。伊豆の下田港を舞台に、米国との通商条約締結の命を受けた、初代日本総領事ハリスの苦難を描く歴史ドラマ。
公開当時、西部劇と戦争映画にしか出演しないような、御大ジョン・ウェインが、芸者ガールと恋に落ちるという、"キワモノ的な楽しみ"も用意された作品だ。
彼は俳優歴が長いだけに、結構、変な役柄もこなしていて、特に「征服者」でのドジョウ髭の成吉思汗役は、あまりにも有名だ。
「野蛮人と芸者」という原題の通り、ジョン・ウェインが体現する粗野で無骨なアメリカ文化と、芸者によって代表される繊細な日本文化が比較して描かれているのだが------。
実話に基づき、かなり真面目に作ってはいるのだが、未開の地に白人が文明をもたらすという、アメリカ映画お得意のパターンを崩すには至っていない。
監督のジョン・ヒューストンは、そこそこいい映画を撮ってはいるのだが、作品に非常にバラツキの多い監督でもあり、この作品は、そのダメダメな作品の一本だ。
欠点だらけの映画だが、唯一の救いは、ジョン・ウェインに貫禄負けせずに、下田奉行役を堂々と演じた山村聰の存在だ。