P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-12-21
この映画「女相続人」は、1949年度のアカデミー賞で、主演女優賞など4部門受賞の作品だ。
ウィリアム・ワイラー監督は、あらゆる題材を手掛けるが、なかでも構成のガッチリした舞台劇風な作品を得意にしている。
ヘンリー・ジェームズの「ワシントン広場」を原作にした、この心理劇では、婚期を逃した娘とその父親、財産を狙う求婚者が、凄まじい愛憎の火花を散らす。
娘の父親に侮辱され、恋人に裏切られ、内気でおとなしい娘から、憎しみに満ちた冷酷な女に変貌するオリヴィア・デ・ハヴィランドは、思わず背筋が寒くなるほどの名演技だと思う。
特に、彼女の最後のセリフが恐ろしい。
そして、ヒーローとはほど遠い卑劣感を巧みに演じたモンゴメリー・クリフトだが、その二枚目ぶりに日本での人気が急上昇したと言われている。