大いなる別れ 感想・レビュー 2件

おおいなるわかれ

総合評価4点、「大いなる別れ」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2024-06-02

※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]

表面上は、すごく平凡な恋愛劇が進行し、その背後で男と女の熾烈な駆け引きが、火花を散らしている。

美女と探偵とが、互いに一芝居を打ち合って、愛の遊戯に興ずるふりをするという、いわば二枚舌の恋愛ゲームなのだ。

このパターンは、「007」シリーズなどでも、甚だしく俗化された形で繰り返されている。

リザベス・スコットは最後に、ボギーに向かって、「あなたのポケットに入れて欲しかった」なんて、健気なことを言いながら、死んでゆく。

男と女が最後に、めでたく結ばれるハッピーエンドが、昼のミステリの特徴であるのに対して、夜のミステリは、必ず悲劇で終わるのだ。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2024-06-02

この1947年のジョン・クロムウェル監督の「大いなる別れ」は、ハードボイルド・ミステリ映画の傑作だ。

主演は、ハンフリー・ボガートで、共演する悪女が、リザベス・ミコットという、あまり有名ではない女優だ。

この映画は、全篇、夜の雰囲気が立ちこめる。混じりっ気なしのフィルム・ノワールで、夜のミステリにおける悪女の基本形が、くっきりと現れている。

酒場あたりで、主人公の探偵に接近してくる、その謎めいた美女は、むろん女の色香を武器にして、男を罠にかけようとする毒婦であって、探偵はそれをうすうす感じ取りながらも、女の奸計にのせられたふりをして、ひそかに悪女を追い詰めるのだ。

最終更新日:2024-06-12 16:00:02

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