大いなる別れ 作品情報
おおいなるわかれ
親友ジョニーが殺され彼の過去を調査していたリップ・マードック(ハンフリー・ボガート)は、ジョニーが殺人罪で告発されていたことを知った。その事件の目撃者ルイス・オードという男を捜していたリップは、あるナイト・クラブを訪れた。マルティネリ(モーリス・カーノフスキー)の経営するそのナイト・クラブで、リップは歌手コーラル(リザベス・スコット)を知り、彼女はリップに、ジョニーは自分を愛するがゆえに夫を殺したのだと告げた。しかし、リップは、この美しい女コーラルに、何かを隠している秘密の部分を直感し、彼女につきまとった。そんな頃、事件の目撃者オードが殺され、リップは、マルティネリを怪しいとにらんだ。だが、事件の解明に近づいてきたリップを、マルティネリの部下クロウズ(マーヴィン・ミラー)が襲い、さんざん叩きのめした後、彼を監禁した。スキを見て脱出に成功したリップは、コーラルのアパートに身を隠し、意外な事を彼女の口から聞いた。彼女が夫を正当防衛で殺し、ジョニーがそれをかばったのだ、と。コーラルの悲しそうな顔を見て、リップは彼女の言うことを信じた。ある雨の夜、マルティネリの事務所を急襲したリップは、クロウズを叩きのめし、事務所に火を放った。そして、助けてくれと哀願するマルティネリの口から驚くような事実を聞き出した。愕然とするリップの元をスキを見て逃げ出したマルティネリが、一発の銃声と共に倒れた。背後にはコーラルの姿が……。車を走らせるリップの脇でコーラルが自分を連れて逃げてと哀願する。しかし、リップにはすべてがわかっていた。マルティネリはリップの身替りで死んでいったこと。そして、今また口から出ている言葉も偽りの言葉だということ……。警察に行ってすべてを告白しろというリップにコーラルは銃口を向けた。リップはその瞬間車のスピードをあげ弾をかわすが、そのためにコーラルもろとも車が炎上した。少しの傷で済んだリップは、病院で息をひきとるコーラルを複雑な気持ちで見守るのだった。
「大いなる別れ」の解説
殺された親友の過去を調査したことから、ある事件の中に捲き込まれていく男を描くハード・ボイルド映画。製作はシドニー・ビッデル、監督は「愛の交響楽」のジョン・クロムウェル、脚本はオリヴァー・H・P・ギャレットとスティーヴ・フイッシャー、撮影はレオ・トーヴァー、音楽はマーリン・スカイルズが各々担当。出演はハンフリー・ボガート、リザベス・スコット、モーリス・カーノフスキー、チャールズ・ケイン、マーヴィン・ミラーなど。日本語版監修は岡枝慎二。モノクロ、スタンダード。1947年作品。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1980年8月2日 |
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配給 | インターナショナル・プロモーション |
制作国 | アメリカ(1947) |
ユーザーレビュー
総合評価:4点★★★★☆、2件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2024-06-02
この1947年のジョン・クロムウェル監督の「大いなる別れ」は、ハードボイルド・ミステリ映画の傑作だ。
主演は、ハンフリー・ボガートで、共演する悪女が、リザベス・ミコットという、あまり有名ではない女優だ。
この映画は、全篇、夜の雰囲気が立ちこめる。混じりっ気なしのフィルム・ノワールで、夜のミステリにおける悪女の基本形が、くっきりと現れている。
酒場あたりで、主人公の探偵に接近してくる、その謎めいた美女は、むろん女の色香を武器にして、男を罠にかけようとする毒婦であって、探偵はそれをうすうす感じ取りながらも、女の奸計にのせられたふりをして、ひそかに悪女を追い詰めるのだ。