王様と私(1956) 作品情報

おうさまとわたし

1862年、アンナ夫人(デボラ・カー)は息子ルイズ(レックス・トンプソン)を連れてシャム王(ユル・ブリンナー)の王子や王女らの教師としてイギリスからシャムに渡る。バンコックでは首相のクララホーム(マーティン・ベンソン)の出迎え。アンナは王が宿舎提供の約束を忘れていることを知り、直談判しようとする。王はビルマ大公の貢物、美姫タプティム(リタ・モレノ)を受け取ったところ。早々アンナを後宮へ伴い正妃ティアンを始め数多くの王子、王女らを引合わせる。アンナは王の子女の教育についてティアン妃の援助を受けることになり、タプティムは妃達に英語を教えることになる。アンナはタプティムの恋人がビルマから彼女を連れてきた使者ラン・タと知り、何とか心遣いをしてやった。アンナは王子、王女らの教育で“家”という言葉を教え、宿舎の提供を怠った王の耳に入れようとする。次代の王、チュラロンコーン王子たちは、シャムは円い地球上の小国と聞き驚く。王は授業参観に赴くが、タプティムが持つアンナから贈られた小説“アンクル・トムの小屋”に興味を持ち、アンナと奴隷制度について論じた。だが首相は西洋の教育は王の頭を混乱させるとアンナを非難する。ある日、自分が英人から野蛮人と考えられていると知った王は、保護国の資格を失うと考え、近く国情調査にくる英特使のもてなしをアンナに一任。特使ジョン・ヘイ卿の歓迎晩餐会は、ヨーロッパ風の豪華なものだった。客たちをもてなすため、タプティムが演出した“アンクル・トムの小屋”がタイの伝統的な演劇様式で演じられる。その夜、宴が成功裡に終ったことを祝い、王とアンナは二人だけでダンスを踊る。その最中、タプティムは恋人と駈落ちする。捕らえられたタプティムはアンナのとりなしで笞刑を逃れるが、ラン・タは殺害。心を痛めたアンナは故国へ戻ろうとする。だが船が出帆する日、王が死の床にあると知らせが入る。王の枕元で、王子が即位後は奴隷制度を廃止すると宣言。息子の頼もしい姿を見ながら、王はアンナに看取られて静かに息を引き取る。

「王様と私(1956)」の解説

「回転木馬」に次ぐロジャース=ハマーステインのミュージカルでシネマスコープ55の第2回作品。製作は「あの日あのとき」のチャールズ・ブラケット。マーガレット・ランドンのベスト・セラー伝記“アンナとシャム王”を「重役室」のアーネスト・リーマンが脚色、監督は「ショウほど素敵な商売はない」のウォルター・ラング。戦後公開の「アンナとシャム王」は同一テーマによる劇映画である。主演は「誇りと冒涜」のデボラ・カー、舞台で同役を演じたユル・ブリンナー。他に「スカートをはいた中尉さん」のリタ・モレノ、ロンドン生まれの舞台俳優マーティン・ベンソン、「愛情物語」の子役レックス・トンプソンなど。音楽監修と指揮はアルフレッド・ニューマン、撮影監督はレオン・シャムロイ。バレー振り付けは舞台同様ジェローム・ロビンスが当たる。

公開日・キャスト、その他基本情報

配給 20世紀フォックス映画
制作国 アメリカ(1956)
上映時間 133分

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、2件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2018-11-19

日本のフジカラーのTVのCM等でもお茶の間の話題をさらったユーモラスなユル・ブリナー,本編では一夫多妻の若きシャム王を見事に演じている。デボラ・カーに〈愛の力は暴力より強き〉事を知らされ病気に為って仕舞う件が本ミュージカル・ドラマをより深いものにしてるんだ?

最終更新日:2024-11-06 17:05:33

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