愛の調べ 作品情報
あいのしらべ
天才的ピアニストの折紙つきのクララ・ヴィークは、父ヴィーク教授の弟子ロベルト・シューマンと恋仲だったが、教授はシューマンの才を認めず結婚を許さない。幸い2人を知るリストの証言で2人の結婚は法廷に許され、ライブチヒの屋根裏に愛に生活が始まった。それから10年、シューマン夫婦は7人の子供が出来、女中ベルタの手だけでは足りない位だった。大晦日の晩、20歳のヨハンネス・ブラームスが、シューマンの弟子にしてくれと頼みに来て、そのまま同居することとなる。彼はクララに一目でほれてしまったのだったが、生来の子供好きだったのでベルタの手助けをしながら、崇愛するクララの傍で、作曲することの出来るのを、若いブラームスは楽しみとした。ところがシューマンは作曲、批評、教授と忙しい生活を送ってはいるが、彼の音楽がほとんど認められないので、神経衰退に陥っていた。生活費を得るためにクララは、マネジャーのハスリンガーに勧められ、ケルンでピアノ独奏会に出演し大成功だった。しかし自分よりクララが才能を認められるのかと、夫が悩んでいると知った彼女は、勧められた演奏旅行も断った。そして夫のオペラ「ファウスト」を音楽出版業ヘルテルに送った。それが断られてもどると、見かねたブラームスはリストに力を貸してやって頂きたいと頼んだ。リストの骨折で「ファウスト」は、ライプチヒのゲヴァントハウスで、作曲者指揮で初演された。ところが第3幕の途中で、突如シューマンは指揮棒を落とし、両手で眼を押さえた。常々クララが恐れていた夫の神経病は高進していたと見え、運命はこの夜シューマンの脳を惑乱させたのである。彼はエンデニヒのサナトリウムに入れられた。そして2年の闘病生活にも空しく、天才を抱いたまま世を去った。狂いつつシューマンはピアノのキイをたたき、「作曲」した。見舞ったクララに、新曲だといって彼の初期の小品の「トロイメライ」を弾いて聞かせて死んだ。生涯彼を愛して来たクララには、余りに大きな打撃であった。4年前、恋の告白をして去ったブラームスは再び訪れ、彼の「第1交響曲」の演奏の切符を与えた。ブラームスは演奏のあとでクララに求婚したが、彼女はさびしい微笑で頭を振った。しかしブラームスの勧めで楽壇に再起し、以後35年年間シューマンの音楽を演奏し続けた。
「愛の調べ」の解説
シューマン夫婦の伝記を映画劇化しと音楽映画で、「町の人気者」のクラレンス・ブラウンが製作監督した1947年作品。バーナード・シューバート、マリオ・シルヴア合作の劇を「育ちゆく年」のロバート・アードリーが、アイヴァン・トース、イルムガード・フォン・クーベ及びアレン・ヴィンセントと協力脚色し、「町の人気者」のハリー・ストランドリンクが撮影した。主演は「女性No.1」「フイラデルフィア物語」のキャサリン・ヘッバーン「カサブランカ」「情熱の航路」のボール・ヘンリード、「キューリー夫人」のロバート・ウォーカーで「ジェーン・エア」のヘンリー・ダニエル、「断崖」のレオ・G・キャロル「春の序曲」
公開日・キャスト、その他基本情報
制作国 | アメリカ(1947) |
---|
動画配信で映画を観よう! [PR]
ユーザーレビュー
レビューの投稿はまだありません。
「愛の調べ」を見た感想など、レビュー投稿を受け付けております。あなたの映画レビューをお待ちしております。