アナザー・カントリー 作品情報

あなざーかんとりー

1983年モスクワ。アメリカ人ジャーナリスト(ベッツィー・ブラントリー)は、年老いたガイ・ベネット(ルパート・エヴェレット)にインタヴューしている。ガイは、祖国イギリスを裏切り、ロシアに亡命しているスパイだった。何故彼はスパイになったのか?インタビュアーを前に、彼は青春の思い出を話しはじめた。1932年夏。ガイは、パブリック・スクールの最終学年を迎えようとしていた。上流階級の選ばれた者しか入学できない、この全寮制の学校で、明晰で活発な彼は、目立つ存在だった。新しい学年が始まれば、学校を支配する生徒達の自治会エリート・メンバー“ゴッド”に選ばれるはずになっている。そして、ゆくゆくは外交官となり、パリ駐在大使になるというエリート・コースを順調に進む未来が約束されていた。彼にはジャド(コリン・ファース)という親友がいた。彼はレーニンに傾倒している共産主義でガイのブルジョワ的思考を軽蔑していたが、そんなガイが憎めずに好きだった。第一次大戦で戦死した卒業生を讃える追悼礼拝式でガイは、別寮の美少年ハーコート(ケアリー・エルウィズ)に一目惚れしてしまった。パブリック・スクールでは、同性愛は浸透しやすいのだ。そんな時、ガイの同僚の学生が、同性愛の現場を目撃され羞恥心から自殺するという事件がおこった。この事件で校内には不穏なムードが漂う。自責の念にかられた寮の責任者バークレイ(マイケル・ジェン)。一方、デラヘイ(ロバート・アディ)は、与えられた特権を活かして、生徒達に尊大に振る舞った。そんな二人を巧みに操り、地固めを進めるのがメンジース(フレデリック・アレクサンダー)だ。また軍国主義者のファウラー(トリスタン・オリヴァー)のガイに対する激怒は爆発していた。彼はガイやジャドのような異端者が我慢ならないのだ。彼はハートコートにますます夢中になるガイを、同性愛という理由で“ゴッド”のメンバーにはなれなくした。輝いていたはずのガイの未来が閉ざされたその時から、彼の心には復讐の炎が根ざし出した。ジャドの思想に感化されていた彼は、それを使って、スパイという反撃の道を選ぶのだった。

「アナザー・カントリー」の解説

1930年代の英国のパブリック・スクールを舞台にそこに学ぶ寮生たちの姿を描く。製作はアラン・マーシャル、エグゼキュティヴ・プロデューサーはロバート・フォックス、監督はこれが長編一作目になるマレク・カニエフスカ。ジュリアン・ミッチェルの原作を基に自ら脚色、撮影はピーター・ビジウ、音楽はマイケル・ストーレイ、編集はジェリー・ハンブリングが担当。出演はルパート・エヴェレット、コリン・ファースなど。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1985年8月1日
キャスト 監督マレク・カニエフスカ
出演ルパート・エヴェレット コリン・ファース ケアリー・エルウィス マイケル・ジェン ロバート・アディ Rupert Wainwright トリスタン・オリヴァー フレデリック・アレクサンダー
配給 ヘラルド・エース
制作国 イギリス(1984)
上映時間 90分

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ユーザーレビュー

総合評価:4.5点★★★★☆、4件の投稿があります。

P.N.「愛と欲望の間(はざま)」さんからの投稿

評価
★★★☆☆
投稿日
2022-09-26

スパイの回顧録、その寮生活の暴露が、衝撃的とも言え、海外が、法律や罰則を強化しなければならない理由も、理解できる。

日本は、スポーツマンの件で、メディアが偏った報道をする自由があるくらい自由でも、自主規制できる国民性を改めて認識する。

作品の内容は、ほとんど、美形を眺めるだけ。

『モーリス』は文学的な香りがあったが、こちらは、さほど、内容はない。

2つの作品の共通点で、終末は、人間が欲深く、権力に固執し、真実の愛から目を背け、自由に成れないと言う結末。

『モーリス』は、文学的で
爽やかで、物悲しい作品でしたが、こちらの作品は、
すこし、可愛らしい、未熟な若者の物語的作品です。

どちらも、ハッピィーエンドではないので、どうしたらハッピィーエンドになるか?私たちは、考える参考にしたですね。

最終更新日:2023-11-17 02:00:06

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