憂国 作品情報

ゆうこく

三島由紀夫が原作、脚色、製作、監督、主演を務めた伝説のアート・ムービー

昭和11年、「2.26事件」が勃発。武山中尉は新婚のため、仲間から決起に誘われなかったのだが、皮肉にもかつての仲間たちの鎮圧を命じられる立場になる。国に忠誠をつくし反乱軍を鎮圧することは、親友達を殺すことを意味していた。

「憂国」の解説

能舞台に見立てて作られた美術セット、艶かしい愛の交歓シーン、あまりにもリアルな切腹シーン……全編セリフなし、ワーグナーの音楽にのせて、愛と死が緻密に描かれるなど、三島由紀夫の美学が全編に溢れる。そのショッキングな内容と高度な芸術性が話題を呼び、日本のみならず欧米でも高い評価を受けたが、三島没後、上映プリントは焼却処分され、幻の作品と語り継がれてきた。後に密かに三島邸に保管されていたネガ・フィルムがほぼ完璧な保存状態で発見された。(キネマ旬報 全映画作品データベースより抜粋)

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督・出演三島由紀夫
出演鶴岡淑子
制作国 日本(1966)

ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「千賀子」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2020-03-24

宝生流の能楽を思い起こさせる様な、荘厳な静けさと簡素さ。
当時は、まだ昭和。戦前も戦後も遠く、昭和元禄と言われた平和の中の突然の衝撃。当時トップの流行作家の動機不明の死は、何故?という憶測に満ちていた。
憂国、か。ダラけた日本人に対する諌死か憤死の様に捉えていた。相手を攻撃せず、力のベクトルが自分に向かう自己犠牲は日本人の武士らしい気がした。究極の感情である死に、愛を絡める無理心中にも思えたが、死は逃避行であると思っていたので一人で死ねないのかね、と思った。女性に対する殺人でもある気がした。ある女性作家が現実的には嫁姑争いから逃げた、と言った。
鶴岡淑子は美しいと思ったが、よくよく見ると、頬骨が高く、昭和なアジアのおばさん顔であり、それ程、と思った。軽い嫉妬混じりがある。
当時から、三島は預言者の様に中国とアメリカの仲違いを予測していた。当時のキッシンジャーを介しての友好ムードに信じられなかった。貿易摩擦とコロナ禍の折、両国険悪を見て絵空事には思えなくなった。
50年、半世紀。こんな世相の時はシリアスな気分になり、日本人の原点、とか三島事件とは、とか想いが蘇る。

最終更新日:2020-03-28 16:00:03

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