アバンチュールはパリで 作品情報

国選画家ソンナム（キム・ヨンホ）は、妻（ファン・スジョン）を一人ソウルに残し、逃げるように韓国を離れ、かねてより憧れだったフランス・パリへとやってくる。しかし、彼は市内の民宿に泊まり、街をぶらつくだけの怠惰な毎日を過ごしていた。そんな彼を見るにみかねた宿主（キ・ジュボン）が、パリ観光の案内役としてヒョンジュ（ソ・ミンジョン）という留学生をソンナムに紹介する。絵を学んでいるという彼女と共にソンナムはオルセー美術館へと向かい、クールベの“世界の起源”を鑑賞する。その後、ヒョンジュのルームメイトの画学生イ・ユジョン（パク・ウネ）に出会ったソンナムは、太陽のように溌剌とした彼女の魅力に惹かれていく。「これは奇跡だ。こんな奇跡があるから人は生きていけるのかも」と浮かれ気分のソンナムであったが、ユジョンは全くその気がない。そんなある日、ソンナムは宿主に案内されてパーティへ出かけるが、北朝鮮から来た留学生ユン・ギョンス（イ・ソンギュン）に絡んで場の空気を白けさせてしまう。さらに元彼女ミンソン（キム・ユジン）の自殺を新聞で知り、ショックを受けたソンナムは、ユジョンに会いにアパートを訪れる。「お前を抱いて横になりたい」。少年のように自分の思いを直球でぶつけるソンナムの姿に、ユジョンの心は動き始める……。