鬼畜 作品情報

きちく

松本清張の同名小説を野村芳太郎が映画化

竹下宗吉と妻、お梅は川越市で印刷屋を開いていた。宗吉は小金が貯ったところで、鳥料理屋の菊代を囲い7年間に3人の隠し子を作った。おりあしく、火事と大印刷店攻勢で商売は凋落した。手当を貰えなくなった菊代は、利一(六歳)良子(四歳〉庄二(一歳半)を連れて宗吉の家に怒鳴り込んだ。菊代はお梅と口論した挙句、3人を宗吉に押しつけて蒸発した。お梅は子供達と宗吉に当り散らし、地獄の日々が始まった。

「鬼畜」の解説

父を思い続ける息子と、環境に押し流されて正気を失う弱い父親、大人と子供の世界を較べながら、切っても切れない親子の絆を描く。松本清張の、昭和32年に事実をもとに書き下ろした原作の映画化。脚本は『ダイナマイトどんどん』の井手雅人、監督は『事件』の野村芳太郎、撮影は『事件』の川又昂がそれぞれ担当。(キネマ旬報 全映画作品データベースより抜粋)

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督野村芳太郎
原作松本清張
音楽芥川也寸志
出演緒形拳 岩下志麻 岩瀬浩規 吉沢美幸 石井旬 蟹江敬三 穂積隆信 大滝秀治 松井範雄 加藤嘉
制作国 日本(1978)

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ユーザーレビュー

総合評価:4点★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「グスタフ」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2019-11-14

幼児虐待や育児放棄が今日的な社会問題ではなく、人間本来にある残虐性と利己主義に起因することを思わせ考えさせる意欲作。1957年の実際の事件を基に松本清張が短編小説化したものを、1977年頃の時代背景に井出雅人が脚色した。名優緒形拳の演技が素晴らしい。愛人が子連れで押し掛けて来て大人三人のエゴイズムがぶつかるところの、頼りない亭主の善人めいた立ち居振る舞いが可笑しい。落ちぶれた男の威厳のない惨めさを演じる緒形拳と、裏切られた妻の冷血な復讐の恐ろしさを演じる岩下志麻のリアリティ。野村芳太郎の堅実な演出が、脚本の良さを生かし俳優を生かす。最後、子供を物として扱う大人社会への痛烈な批判とも取れる長男の台詞で幕を閉める。簡潔明瞭にして過不足ない映画文体の佳作。

最終更新日:2020-01-22 15:28:33

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