蕨野行<わらびのこう> 作品情報

わらびのこう

江戸中期の山村。60歳を迎えた老人は村を出なければならないという掟があった。「老いによる死」を前向きにとらえた感動作

江戸時代、東北の山里にある小さな村には隠された掟があった。60の歳を迎えた老人はみな村を出て、半里ほど離れた蕨野に住むのだ。蕨野に移り住んだ老人たちは蕨衆と呼ばれ、農家の手伝いによってのみその日の糧を得ることが許されていた。それは庄屋の母・レンでも例外ではなかった。レンにとって気がかりなのは息子の若い嫁・ヌイだ。他の村から嫁いだヌイは、まるで実の母のようにレンを慕っていた。その年、村を凶作が襲った…。

「蕨野行<わらびのこう>」の解説

「年老いた老人を山に捨てる」というと、今村昌平の名作『楢山節考』が思い出される。本作は死に向かっていく8人のジジババたちを描いているが、悲惨さはあまり感じさせない。それは「死」は本当の終わりではなく、また「無への道」でもないという、当時の日本人の死生観が盛り込まれているからだろう。また、主人公の姑のレンと嫁のヌイの、まるで手紙をやりとりしているような語りが、リアリズムよりもどこか寓話的なリズムを生み出していることもある(市原悦子の語りは「まんが日本昔ばなし」を彷佛する)。

「老いによる死」を前向きにとらえるポジティブさに欠けるこの世の中だからこそ、「自分もこうありたい」と感じさせるこの映画が必要なはずだ。「暗そうな話」という先入観は捨て、多くの人に見て欲しい。また、山形の自然の四季を、見事にとらえたカメラも特筆したい。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督恩地日出夫
原作村田喜代子
出演市原悦子 石橋蓮司 清水美那 李麗仙
配給 シネマ・ワーク
制作国 日本(2003)
上映時間 124分

(C)日本の原風景を映像で考える会

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最終更新日:2016-02-12 15:41:21

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