冒険者たち(1967) 作品情報

ぼうけんしゃたち

マヌー(A・ドロン)とローラン(L・バンチュラ)は、性格はまったく違っていたが、実の兄弟のように仲が良かった。マヌーはパリにある飛行クラブの教師で、ハンサムでスマートな外見に似合わず、驚くほどの命知らずで大ぼら吹きだ。ローランはパリ郊外の廃車置場の中にある奇妙な仕事場に住み、画期的なカー・エンジンの開発に専念していた。ある日マヌーは飛行クラブの生徒から、耳よりな話を聞きこんだ。それはある映画プロデューサーが撮影のため凱旋門を飛行機でくぐり抜けた者に二千五百万フランの賞金を出すというのだ。マヌーは見事に凱旋門をくぐり抜けたが、危険飛行の罪でパイロット免許をはく奪されてしまった。失業したマヌーは友人ローランの仕事場へ移ったが、仕事は思うように進行しなかった。そんなある日、マヌーは飛行クラブの生徒から聞いた新たなもうけ話の調査に乗りだした。それによるとベルギーのコンゴ移住者が動乱から逃れる途中、莫大な財産を乗せて海に墜落し、財宝が海底に眠っているというのだ。調査の結果、今度こそ間違いないようだった。マヌーとローラン、それに以前ローランの仕事場に作品の材料を探しに来たことで知り合った、現代彫刻家のレティシア(J・シムカス)の三人はスクーナー船に乗りこんで、宝探しを始めた。ついに彼らは素晴らしい仕事をなしとげた。ところがこの財宝に目をつけていた男たちが闇に乗じて襲ってきた。その戦いの中でレティシアは死んだ。危機を脱出した二人は彼女の故郷アイクス島を訪れた。そこには彼女にそっくりの幼い弟がいた。彼らはその少年のために財宝を残し、再び新たな夢へ向かっていく。ローランは要塞島を買い取り、そこでホテルを経営する計画を立てる。それはレティシアの夢でもあった。一度は別の道を行こうとしたマヌーも、ローランとホテルの共同経営者となるために、要塞島を訪れた。ところが、そこに再び財宝を狙う男たちが現れ、マヌーが銃弾に倒れる。彼を抱きかかえ、ローランは「レティシアはお前を愛していた」と嘘をつくのであった。

「冒険者たち(1967)」の解説

ジョゼ・ジョヴァンニの同名小説を、彼と「ふくろうの河」の監督ロベール・アンリコ、ピエール・ペルグリの三人が共同で脚色し、ロベール・アンリコが監督したアクション。撮影はジャン・ボフティ、音楽はフランソワ・ド・ルーベが担当。出演は「パリは燃えているか」のアラン・ドロン、「女王陛下のダイナマイト」のリノ・ヴァンチュラ、「スタンダールの恋愛論」のジョアンナ・シムカスほか。イーストマンカラー、テクニスコープ。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督ロベール・アンリコ
原作ジョゼ・ジョヴァンニ
出演アラン・ドロン リノ・ヴァンチュラ ジョアンナ・シムカス セルジュ・レジアニ ハンス・メイヤー ポール・クローシェ ガイ・ドローム
配給 大映
制作国 フランス(1967)
上映時間 113分

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、4件の投稿があります。

P.N.「グスタフ」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2019-10-09

「ラムの大通り」「追想」のロベール・アンリコ監督の代表作。大人になり切れない男と女と男の夢と挫折と感傷を冒険活劇にしたフランス映画のエスプリ。この作品ほど、名作・傑作・秀作の称号など要らぬ、愛すべき映画の筆頭に挙げたい。
それぞれが好きな道で失敗する前半の楽しさ。大きな挫折に慰めあう三人の絆が深まり、ひとつの希望に向かってアフリカの海に挑む、後半のギャング映画宛らの面白さ。そして、ジョアンナ・シムカスの神聖で美しい水葬シーンに息を吞み、少年の純真さを持つ男の魅力に溢れるリノ・バンチュラに共感する。
さすらう青春への憧憬を漂わすテーマ曲「レティシア」とラストシーンが、いつまでも心に残ります。

最終更新日:2022-07-26 11:03:57

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