日時:3月19日(土)
場所:新宿ピカデリー スクリーン1
登壇者:櫻井孝宏、ファイルーズあい、石田彰
『ジョーカー』の衝撃を超える、狂気と感情が爆発する今世紀最大の謎解きサスペンスアクション『THE BATMAN-ザ・バットマン-』が大ヒット上映中。DCユニバースに属さない本作は、クリストファー・ノーラン監督による『ダークナイト』トリロジー以来、全世界が待ちわびたバットマンの≪単独≫映画となる。世界の嘘を暴き、世の中を恐怖で支配する最狂の知能犯リドラー。そして、暴かれるバットマンの嘘と狂気に変貌していく姿。ヒーロー映画史上最もスキャンダラスな展開が待ち受ける!あなたはマスクに隠された嘘を見抜けるか?
北米他全世界75の国と地域で公開され、あの社会現象を巻き起こした衝撃作『ジョーカー』のオープニング興行成績をはるかに凌ぐ驚異の興行成績をたたきだした本作。既に全世界興行収入は、600億円を超え、今まさに世界中を記録ラッシュが駆け抜けるなか、遂に3月11日(金)日本で公開を迎えた。初日から3日間の興行収入は3億7,000万円(動員:23万人)を突破し、洋画NO.1の好スタート。バットマン単独映画では、2008年公開の「ダークナイト」の興行収入を超える成績となる。また、2022年公開の洋画中『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』に次ぐ好成績をたたきだし、本格的な春休みシーズンを前に今後の展開に期待が高まる。
誰しもの感情を揺さぶるかつてないエモーショナルなバットマンの姿が共感を呼ぶなか、豪華声優陣が参加する日本語吹替版について、SNS上でも「櫻井孝宏を浴びることができたので最高だった」、「知能犯リドラー役で。今まで決して歌うことがなかった石田彰が……?」など普段目にすることができない今作ならではの推しの演技を大スクリーンで体感できることが大きな注目を集めている。既に字幕版と吹替版の両方観たというリピーターも続出しており、「吹替版ヤバすぎ!」「没入感ハンパない」などの声も広がっている。
日本での大ヒットスタートを記念し、バットマンになって2年目の未熟で人間味溢れる新しい⻘年ブルース/バットマンに生命を吹き込んだ櫻井孝宏、セリーナ・カイル/キャットウーマン役のファイルーズあい、ゴッサム・シティを恐怖に陥れる史上最狂の知能犯リドラー役を務めた石田彰の3人が上映前のイベントに揃って登壇。映画全体を通して伝わる緊張感、覚悟を持ち闘う登場人物たちに寄り添ったそれぞれの思い、吹替版だからこそ味わえる、映画史に刻まれる新たな没入体験を、熱く語り合った。
映画で自身が演じた役柄にあわせ、櫻井は黑い衣装、ファイルーズは猫耳ヘアとコウモリの羽がついたブーツで、そして石田はリドラーをイメージしたメガネをかけて登場し「若干コスプレしてみました」とやや照れながら登場。本作は全世界で興行収入600億円を突破し大ブームを巻き起こし、日本でも絶賛の声が相次いでいるが、櫻井は「改めてとんでもない作品に関わらせていただいたなと実感しています」と感慨深げに語った。
最初に吹替声優のオファーを受けた時について櫻井は「プレッシャーが大きかったです。世界中で愛され、ファンの方が多い作品ですし、どこから手をつければいいのか迷いました。でも実は収録が一番最後だったので、声優のみなさんが入れた声を聞きながら演じることができました。皆さんのおかげで、満足のいく仕上がりになったと思っています」と振り返る。
オーディションでセリーナ/キャットウーマン役を射止めたファイルーズは「セリーナ役に決まったときは、言葉では形容できないほど嬉しかったんですが、同時に大きなプレッシャーも感じました。歴史の⻑い作品なので、これまで多くの方々がキャット―ウーマンを演じてきた中で、自分らしいセリーナ、そしてゾーイ・クラヴィッツさんに寄り添った演技をすることがとても難しかったです。でもラッキーなことに、この映画で描かれるセリーナはまだまだ未熟な頃なので、声優歴の浅い自分だからこそ演じることができるセリーナができたのではないかと思っています。櫻井さんとは逆で、私がトップバッターの収録だったので、どうなるか不安でしたが、完成版を見たら先輩方が皆さんがあわせてくださり、とても素敵な作品に仕上がっていて嬉しかったです」と、バットマンシリーズに参加した喜びを語る。
最狂の敵、リドラーを不気味な声色で演じきった石田は「リドラーを演じたポール・ダノさんが、独特な役作りのすごいお芝居をされていて。本当に頭のネジが飛んでいるような様子だったので、その演技の脚を引っ張らないように、負けないように頑張りました。ただ最初にオファーをもらった時は、リドラーがあまりにクレイジーなキャラクターなので、『僕ってこう見られているのか!』とちょっと心配になりました(笑)」と笑いを交えて回想する。それに対し、櫻井とファイルーズは「香盤表を見たとき、リドラー役のところに石田さんの名前があって『ああ〜〜〜〜』と納得しました」と声をあわせて話し、会場のファンを笑わせた。
SNSで「ヒーロー映画の枠を超えた傑作」と話題となり、バットマンファン以外からも熱い支持を集めているが、そこまで人々を惹きつける映画の魅力について櫻井は「これだけ多くのファンがいて、歴史があって、たくさん考察&研究されている作品なのに、本作は新しさを感じます。完成されたヒーローではない、新しいヒーローの姿が大きな魅力だと思います」と新たなバットマンの姿を絶賛。さらに「物語の中に衝撃がいくつもあるのも本作が盛り上がっている要素の一つですよね。未熟なバットマンだからこそ描かれるこれまでにない展開、そして最後の最後にやっていくる一番の衝撃!」と話しだすと、ファイルーズは「ラストにはびっくりした!でもここでは言えない(笑)」と笑い、石田も「台本を読んだ時、本当にあれはあの人なの??????と頭に『?』が浮かんだ。みなさん最後まで悩んでください」と物語最大の謎を観客に投げかけた。
映画の魅力についてファイルーズは、「ヒーロー映画なのに、勧善懲悪でないところが魅力だと感じました。主人公バットマンの視点に立って映画を見るか、それとも敵のリドラーの視点に立って見るかで感じ方が全く違う作品になる。上映前なので詳しくは語れませんが、リドラーの抱えているものを知ったら、きっとみんな共感してしまうのではと思います。そしてキャットウーマンの描かれ方も新しい。ヒーローに守ってもらう、か弱いヒロインではなく、芯を持って、自立して闘っている。セクシーさももちろんあるけれど、いやらしいものではなく女性が憧れるセクシーさで、本当にかっこいいし憧れます」と熱く語った。
石田は「言葉にしてしまうとリアリティというありきたりな表現になってしまうのですが…。フィクションであるのは当たり前なのにリアルなんです。現実世界に生きる私たちが知っている現実を描いていて、フィクションとうまくリンクさせているように感じる練られた脚本が素晴らしい。そして今日登壇している、バットマン、キャットウーマン、リドラーの3人はみんな同じ問題を抱えていて、三者三葉の闘いが見れるのも魅力のひとつ。一粒で三度美味しい映画です」と、それぞれ映画の魅力を分析した。
その後はキャスト同士で自由なクロストークが行われ、各々の質問に答えた3人。ファイルーズが櫻井に、「女性に不慣れなブルースを演じるのはどうだった?」と質問すると櫻井は「人と関わらずに生きてきたブルースにとってセリーナは眩いくらいの光だと思う。まぶしさ、憧れというかそういう目で見ていました。いやらしい感情ではないですよ!」念を押す。その反撃に「ブルースを翻弄したキャットウーマン役を演じてどうだった?」とファイルーズへ逆質問すると、「年下の男の子をからかうようなイメージで、吐息交じりにやってみました!」と余裕の笑みで答えた。それには櫻井も「確かにそんな感じがした!なんかそわそわしながらやりました」と盛り上がっていると横から石田が「2人にはそういうシーンあっていいな〜。リドラーにはロマンスないもん」といじけた。
映画の上映前イベントとあり、ネタバレに十分気を付けながら時間いっぱい映画を語った3人だが、最後にはそれぞれ「今回の『THE BATMAN―ザ・バットマン―』は本当に見ごたえのある映画。これまでのバットマン像に新たにプラスされる要素が描かれていて、バットマンを語るうえでは必ず見ておかなければならない作品になっていると思う」(石田)、「この作品で初めてバットマンシリーズに触れた、私みたいなバットマンビギナーでも胸に刺さる衝撃の数々が描かれていました。未熟なキャラクターたちの成⻑を本作で感じていただければ嬉しい」(ファイルーズ)、「ヒーローという言葉は今では記号のようになっていて、誰もが同じようなヒーロー像を持っていると思います。だけどこの映画で、誰も想像したことのない新しいヒーロー像が生まれました。叫びのような産声を感じながら映画を味わっていただきたいです」(櫻井)と、再度溢れんばかりの熱気で映画の魅力を語り、上映を楽しみにする観客たちにメッセージを送った。