第 73 回カンヌ国際映画祭の<オフィシャルセレクション>初監督作部門に選出、デビュー作にも関わらず第 93 回米アカデミー賞R国際⻑編映画賞フランス代表の最終選考まで突破!圧倒的な映像美と世界観で世界中のメディアから絶賛されたフランス・パリ郊外を舞台にしたかつてないエモーショナルな⻘春映画『GAGARINE/ガガーリン』が2/25(金)公開より新宿ピカデリー、HTC有楽町他にて全国ロードショーとなる。本作の、日本版予告映像とポスターが解禁となった。
舞台はフランス・パリ郊外に実在、「地球は⻘かった」の言葉で有名な宇宙飛行士ガガーリンに由来する名前を持つ<ガガーリン>公営住宅。16 才のユーリは、この赤レンガの大規模な団地の名前に導かれるかのように宇宙飛行士を夢見、そして、かつて自分を置いていった母の帰りを信じて待ち続けていた。そんな中 2024年パリ五輪開催のため老朽化したガガーリン団地の解体計画が持ち上がる。ユーリは帰らぬ母との大切な思い出が詰まったこの場所を守るため、友だちのフサームとディアナと一緒に取り壊しを阻止するために動き出す―。
パリ郊外にあるガガーリン団地での、何気ない彼の日常を捉えるシーンから映像は始まる。広場で仲間達と踊ったり、皆既月食を楽しんだりー他人にはありふれた風景でも、それは、幼い頃からこの場所で暮らす彼にとっては⻘春であり、全てだった。しかし時は経ち、建物の老朽化のためにガガーリン団地の解体が決定、それまでの幸せな日々に少しずつ綻びが見え始める。そんな中「アメリカに行きたい」「自由で自分らしく入れる国だから」と想いを語る友人ディアナに「夢はある?」と問われたユーリは、自分の<夢>を実現するため、彼なりの方法で、団地解体の阻止に向けて動き出すー。それまで帰らぬ母を待つばかりだった彼が、壊れゆく団地の中で、自分の心に正直になり、プラネタリウムを作り上げ、アパートの中をバイクで駆け巡る。<消えゆく団地で僕が見つけた思い出と光>というナレーションと呼応するかのように、最後、団地の窓から放たれる謎の閃光も印象的な予告となっている。
ポスターは宇宙飛行士を夢見るユーリが憧れる<月>を見上げる姿を、描き出したもの。映画本編にも多用されている朝と夜の間に一瞬だけ訪れるマジックアワーと呼ばれる幻想的な空の光を切り取ったようなグラデーションが、彼の募る思いが輝きを増すように美しいビジュアルとなっている。
自由を愛する少女ディアナとの初恋や親友フサームとのかけがえのない友情により、少しずつ成⻑していくユーリ。しかし間もなく取り壊されるガガーリン団地と呼応するかのように、彼自身も自分の“世界”の喪失と再生に、葛藤する。募るユーリの思いはどこへ向かうのか―。監督は、本作が⻑編デビューとなるファニー・リアタール&ジェレミー・トルイユの男女2人組。団地が建設された 1960 年代当時の時代背景やそのインパクトのある外観、ロシアの宇宙飛行士ユーリ・ガガーリンから名づけられている事に興味を持ったことが本作を制作するに至った経緯だと語る。
「<ガガーリン>団地は貧しい人々が住む極地的なエリアだ。メディアはこの地域の治安の悪さばかりを取り上げる。フランスでは、本作のような映画を<Film du banilieue>(郊外の映画)と呼び、その映画に描かれているもの全てについて、ある種の新しいジャンルであるかのように言う。しかし、それは違うと思っている。そこには様々な語られるべきストーリーがある。たまたま貧しい古い建物が立ち並ぶエリアに住んでいるだけなのだ」「団地に住む子供たちの中には、外界と交流をしたがらない子もいるが、本作の主人公のユーリにとって、団地は宇宙船で、宇宙船から外に出れば自由になれる、息が出来ると思っている、ただ団地は彼の母のお腹の中と同じ。なかなか外に出る勇気が持てない。(団地を)そういう存在として描いた」と言い、特定の地域に住む子供たちについてステレオタイプな描かれ方について疑問を抱いた彼らは、解体前のガガーリン団地で実際に撮影を行い、ノスタルジックで幻想的な映像美の中に、繊細な若者の心の機微を見事に映し出すことに成功した。
主演は、本作で見出されたアルセニ・バティリ。スクリーンデビューとは思えない程の高い演技力で主人公の揺れる心情を体現し、第 17 回セビリヤ・ヨーロッパ映画祭ほか各国の映画祭にて主演男優賞を受賞、他キャストに注目の若手女優リナ・クードリ(『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』)、さらにレオス・カラックス作品の常連ドニ・ラヴァンが特別出演!かつてないエモーショナルな⻘春映画が誕生した。
GAGARINE/ガガーリン予告編90秒
https://youtu.be/V77KxfW24vU