日時:5月15日(土)
場所:テアトル新宿
登壇者: 成田凌、高良健吾、若葉⻯也、藤原季節、目次立樹、松居大悟監督、トータス松本<ウルフルズ>
ドラマ「バイプレイヤーズ」シリーズや映画『アズミ・ハルコは行方不明』 『アイスと雨音』など、多岐にわたる活躍を見せている松居大悟監督が成田凌を筆頭に個性派かつ実力派の俳優たちを迎えた映画『くれなずめ』が 5/12(水)から公開中となっている。松居大悟監督自身の実体験をモチーフに書かれた、本作の完成披露舞台挨拶が 5 月 15 日にテアトル新宿で行われ、成田凌、高良健吾、若葉⻯也、藤原季節、目次立樹、松居大悟監督そしてサプライズゲストとしてトータス松本が出席した。
コロナ感染拡大の影響により、当初の予定日だった 4 月 29 日から 5 月 12 日へと公開が延期されていた本作。ついに“公開記念舞台挨拶”というハレの日を迎えた事について主演の成田は「嬉しいですね、見てくれたって言うことが本当に嬉しいです」と感激、松居監督も「(当初の予定日だった)4 月 29 日から(新公開日の)5月12 日までが、どう過ごしていいかわからなくて、僕らもまさに“くれずなんで”いたんですが、こうやって公開を決断してくださって。“上映されることも当たり前じゃないんだな”“すごくありがたいことなんだな”と実感してます」と感謝を述べた。
延期が決定してから公開日が決まるまでの期間、どう過ごしていたかを質問された成田。「不安でしたね。待つしかできないし、待っていましたね」と言い、松居監督も「SNS しかやることがなくて」「(これまで持ってなかった)インスタアカウントも作って“なんとかして届けなきゃと!やれること全部やろう”と!」ひたすらSNS 三昧の日々を過ごしたと述べた。続いて「これまで SNS は自分に向いてないと思ってやっていなかった」と言う高良は、今回ほど「SNS やろうかな…」と葛藤したことはなかったと明かし、しかし最終的には「やっぱり、やんないほうがいいと思ってやらなかった笑」と、踏みとどまったことを正直に告白「うん、やらない方がいいと思う笑」と登壇メンバーからツッコミも入るなど、始終和やかなトークが繰り広げられた。
併せて、6月には上海国際映画祭 インターナショナル・パノラマ部門ニッポンエクスプレス、続いて8月にはカナダのファンタジア国際映画祭メイン・コンペティション(名称:シュバル・ノワール)部門など、海外の映画祭で続々と上映が決定したことも発表、日本の結婚式のシーンや、曖昧な感情表現の演出方法など「海外でどういう反響をされるのかがすごく楽しみ」と成田は語った。
続いて、主題歌「ゾウはネズミ色」を書き下ろしたウルフルズのトータス松本が、登壇キャストや監督、観客にも内緒でサプライズ登壇!昨日(5/14)大好評のうちに最終回を迎えた朝ドラ「おちょやん」で登場する 3人(成田、若葉、トータス松本)が奇しくも勢揃い、舞台上で朝ドラ史上最低の父を演じたと言われているトータス松本と隣り合わせになった自身も“不倫する夫”を演じた成田はその役柄を思い起こし「日本で今一番嫌われてる男 2 人が並ぶって・・」と苦笑。すかさず若葉は「僕は嫌われてないですけどね」とツッコミを入れる一幕も。
『くれなずめ』のモデルになった松居監督の友人が大のウルフルズ好きだったことが縁となり、監督たっての希望で実現した、今回のウルフルズへの主題歌依頼。しかし、当初トータス松本はしばらくの間このオファーに悩んでいたと言う。「僕らの曲(『それが答えだ!』)が取り上げられてる映画ですし、やったことのない仕事だったので、やんわりこの話<なくなったらいいな>とか思ってたんやけど笑・・そうこうしてるうちに、成田くんと仕事で会うことになって。そうしたら、ここはもう、スルーできひんと思って『映画観たよ』」って。で、そこで、不安になって、本音で正直に『どんな曲がいいと思う?』って聞いたら『やってくれるんですか!!』みたいなテンションで来たから『もう、これは断られへん・・』と思った笑」と当時を思い起こした。
その後「どんな気持ちでこの「ゾウはネズミ色」をお作りになりましたか?」と聞かれたトータス松本は、「『それが答えだ!』のアンサーソング書こうっていうテーマがあって」と、製作のスタート地点を語り、その後「『それが答えだ』から25年くらい経ちましたけど、結局人生に答えがあるのかどうかと言われれば、それもわかんない。そのアンサーソングを今歌うとしたら、もっとぼやけていくというか。そういう曲にしたかったですね」と楽曲に込めた思いを語り、松居監督も「曖昧なことってすごく伝えるのがむづかしくて。映画ですら 90 分以上かけて伝えてることを「ゾウはネズミ色」が短い時間で、最後に伝えてくれるのは素晴らしいなと思いました」と感動しきりだった。
最後、成田は「なんだかいろんな人生と関わりながらも、それぞれ思うことがたくさんあると思うし。自分の人生の一個としてこの映画の感想を伝えてくださる方も多いので、このまま焦らず、一生かけて届いていけばいいな」「これから見る人も、感想を、肉声で大切な人に伝えていって欲しいな。と思っておりますのでこれからどんどん広がっていってほしいなと思っております」と述べ、松居監督も「この日を迎えられて嬉しいです。友達みたいな映画を作ろうと思ってこの映画を作ったんです。“あいつなんだったんだよ”と思うのが友達だと思うし、この映画を友達にしてくれたら嬉しい」「よかったら友達に伝えてください!映画館感染対策バッチリしてますので、安心して見にきていただけたらなと!」と、溢れる思いを伝えた。