映画『ホテルローヤル』が11月13日より全国公開となる。原作は累計発行部数100万部を超える桜木紫乃の直木賞受賞作。桜木の実家だったラブホテルを舞台にした七編の連作小説を、現代と過去を交錯させ一つの物語へ大胆に映像化した。メガホンをとるのは、『百円の恋』や『嘘八百』、昨年のNetflix国内視聴ランキング1位を獲得した「全裸監督」など精力的な活動を続ける武正晴。脚本は、連続テレビ小説「エール」を手がけた清水友佳子。主人公であるホテル経営者の一人娘の雅代には、映画やドラマで圧倒的な演技力と存在感を示す波瑠。桜木自身を投影した役を、繊細さの中に意志の強さを感じさせて好演。共演には松山ケンイチ、安田顕、余貴美子、原扶貴子、夏川結衣、伊藤沙莉、岡山天音ら実力派俳優陣が名を連ねる。誰にも言えない秘密や孤独を抱えた人々が訪れる場所、ホテルローヤル。そんなホテルと共に人生を歩む雅代が見つめてきた、切ない人間模様と人生の哀歓。誰しもに訪れる人生の一瞬の煌めきを切り取り、観る者の心に温かな余韻と感動をもたらす。
本作で、ホテルローヤルの経営者で主人公・雅代の父親、大吉を演じた安田顕。ホテルローヤルで起こる10年近くを描く中で、実年齢よりも上の歳を演じるために、特殊メイクを使ったり、体型を変化させたりして役作りを行なった。今回公開する2枚の写真は、劇中で描かれる2009年の56歳の大吉(上)と2019年の66歳の大吉(下)。どちらも実年齢より10歳20歳と上の年齢を見事に表現し、安田顕だからこそ演じられる幅のある面白い役となった。この2枚の写真を見るだけでも、10年という時代の変化を感じさせ、その間に起こるホテルローヤルの様々なドラマを想起させる。「20歳上が演じられるならば、20歳若い大吉も演じてみたかったです」と話す安田の演技の振り幅に注目いただきたい。原作者・桜木紫乃は、「本当に北海道の親父でした。こういう人、親戚にいますよね。やっぱり北海道の親父ってあんなふうに怒鳴るんですよ」と、北海道の親父そのものであると太鼓判を押す。安田自身も「自分の親父に似ています」とコメント。病に倒れた大吉が入院しているシーンの撮影現場を訪れた桜木は、「病院のベッドで横になっているシーンを撮り終えた安田さんがモニターのある部屋に現れ、「桜木さん、どうでしたか」と訊ねられたのですが、病人メイクは間近で観るとゾンビ。怖くてドン引きしてしまいました。「あ、こんな顔ですもんね」と安田さんに謝らせてしまうという失態。あの日の自分は大馬鹿野郎です。安田さん、ごめんなさい」と撮影エピソードを明かした。コメディからシリアスな役まで様々なキャラクターを演じ分けてきた安田顕の新たな一面を時代の流れとともにに垣間見ることができる本作は必見!