2020年には原作誕生から75周年を迎え、全世界で人気を博す「きかんしゃトーマス」。前作「Go!Go!地球まるごとアドベンチャー」及び2019年4月より放映中のTVシリーズより、国連とのコラボで持続可能な開発目標(SDGs)にちなんだテーマがエピソードに盛り込まれるなど、大切なメッセージを子どもたちに伝えてきた「きかんしゃトーマス」シリーズだが、劇場版最新作『映画 きかんしゃトーマス チャオ!とんでうたってディスカバリー!!』は4月3日(金)に公開決定!この度、本作に登場するイタリア出身の女の子機関車、ジーナの声を演じた山口もえ、さらに歌が大好きなイタリアの機関車、ロレンツォを演じたお笑いコンビ・麒麟の川島明と、ロレンツォの歌のパートナーである客車のベッペに扮した、麒麟の田村裕による、<公開アフレコ収録>が実施された。
山口と麒麟の二人がマスコミの前に姿を現すと、まずは山口がやや緊張気味な面持ちで挨拶。思わず山口が、「こんなに(報道陣が)来てくださっているとは思わなくて…」と本音をこぼすと、麒麟の二人も「こんなに人いると思ってなかったですもんね」(川島)、「ビックリしました」(田村)と驚いた様子を見せつつも、冒頭から時折、キャスト同士仲睦まじいトークを織り交ぜながら、イベントがスタートした。
まず山口が披露したのは、遺跡の発掘現場で、『ファンタスティコ!』という可愛らしいジーナの口癖が飛び出すシーン。山口らしい周りを包み込むような優しい声で、女の子機関車ジーナをキュートに演じ切った。対する麒麟の二人が披露したのは、ロレンツォ(川島)とベッペ(田村)が、トーマスと初対面するシーン。歌が大好きな古い機関車というキャラクターを、持ち前の低音ボイスを生かしながら見事に表現する川島の一方で、田村も、普段のイメージとはまた一味違う、可愛らしい声と演技でベッペを熱演!アフレコ中も二人のコンビネーションが存分に発揮され、劇中では二人が一体どんなユーモア溢れる掛け合いを見せてくれるのか、ますます期待が高まる。
トークセッションに移ると、まず山口が「私が演じるジーナはイタリアで働いていて、自分の仕事に誇りを持っている機関車です。考古学で色々なものを発掘したり、人を運んだりする機関車なんです」と、自身が演じた役どころについて説明。「今年で芸能生活25周年なんですが、こんな大役をいただけるなんて…、本当に驚きました!オファーをいただいた時、ほんの少し登場するくらいの役かなと思っていたのですが、登場シーンも結構多くて(笑)」と、大役の抜擢に驚きの感想を語りつつも、「トーマスにイタリアのすばらしさを教えてあげる役どころなので、難しい言葉もたくさん出てきて大変でしたが、元気ハツラツに、トーマスがちょっとジーナのことを好きになってくれるようなジーナになるように、頑張って演じました」と振り返る。
一方で、川島も、「ナレーションの経験はありますが、アニメのアフレコは全然だったので(オファーに)驚きましたね。今回ロレンツォという、物語の“キー”的なキャラクターを演じたのですが、結構な大役を任すやん?と(笑)」と、山口と同じく大役の抜擢に衝撃を受けたそう。アフレコ現場の様子を「ロレンツォは歌うことが大好きなキャラクターなんですが、アフレコも台詞1、歌9くらいの割合で(笑)ほとんど歌っていましたね。キーも高かったので、自分でも想像できない声が出てきました。喉仏が飛んでいくかと思いましたが(笑)」と語る通り、歌唱シーンの大変さを振り返りながら、アフレコに手応えを滲ませていた。さらに田村には、MCから「田村さんが演じたベッペが可愛い声と評判ですが」と触れられると、「マジですか!?スタジオ収録の時、そんな声一切聞こえてこなかったですよ(笑)」とツッコむ場面も。「過去に一度だけアニメに声優として出演させていただいた時、馴染み過ぎていて、どこで登場しているか分からなかったと言われたことがありました。この声を演じているのは田村、とハードルを下げて観ると良いらしいです(笑)」とコメント。
そんなキャスト陣に役作りについて質問が及ぶと、「ジーナは特に、イタリア語や専門的な言葉も出てくるし、饒舌で早口なキャラクターでもあるので、映像に合わせるのがとにかく大変で。プロ声優の方の声が入った映像を観ながら、何回も声が合うように練習しました」と大役を務めるために、自宅でも特訓していたそう。「自宅で練習していたら、2歳の娘が台詞を覚えちゃって。『トーマス~!トーマス~!』って私の真似をしていました(笑)」と微笑ましいエピソードが。対する麒麟の二人は役作りについて、「ロレンツォは我が強く、プライドも高いキャラクター。自分がピンチの時にトーマスが助けに来てくれても、『助けさせてあげるよ』くらいのテンションなんです。僕はバラエティで気を遣う場面が多くて、自分とは真逆な性格なので、演じていて良いストレス発散になりましたね(笑)」(川島)、「僕は元々お芝居がとても苦手で。全力で演じていても田村裕と言われることが多いんです。僕なりにキャラクターを作ってみたんですが、監督に『田村さんの感じが出ていてすごく良いです』と言われました(笑)」(田村)と、それぞれ笑いを交えながらコメント。田村に対して、川島は「普段話している声とは少し違う感じなんですよね。全力でウケに行こうとギャグをする時のキーと一緒なんですよ。相方としても、これは全力で行ったなと感じましたね」と指摘し、「恥ずかしいこと言うのやめて」とツッコミする場面も。コンビネーション抜群のやり取りを発揮させ、会場の笑いを誘った。
さらに、MCから改めてオファーを受けた当時について質問が及ぶと、「私でいいの!?と思いました。よく特徴的な声と言われることが多いですし、家でもGoogle Homeに『OK,Google』と言っても全然反応してくれないし…(笑)」と率直な心境を振り返る山口。「まさか子供が幼い頃から観ていたトーマスの作品に参加出来るチャンスをいただけるなんて…。でも自信がなかったので、実は一晩考える時間をいただいたんです。家族にも相談したら、『観たい!良いチャンスじゃない?』と言ってくれて」と当時を回顧。さらに麒麟の二人から、声優経験もある旦那さん(爆笑問題の田中)からのアドバイスについて聞かれると、「『監督の言う通りにやれば何とかなる』と言われて、それで出演を決めました!アフレコ当日は子供たちからハグを貰ったり、夫も『頑張って』と後押ししてくれて。アフレコが終わった日は思わず皆で抱き合いました」と、仲睦まじいエピソードを披露した。
一方で、2歳の娘がいる川島も「ちょうど娘がトーマスにハマりだした時期で。こんなタイミングでオファーをいただけるとは、めちゃくちゃ嬉しかったですね。お父さんトーマスにロレンツォ役で出るんやで、と伝えたら『え、誰?』と言われて(笑)」と語りつつも、「お仕事としても、今の自分の声を娘に聞かせられるというのも嬉しいですし、感謝しかないですね。プレッシャーもありましたが、出せるものは出せたかなと」と振り返る。対する田村は「本当に相方の仕事の調子が良いので、そのおかげかなと思います(笑)いざ、どんな役なんだろうと台本を読んだら、役どころに『歌が大好き』と書いてあって。実は、僕は歌が大の苦手なんです。家族に出演を報告したらすごく喜んでくれたんですが、歌があることを伝えると皆急に無口になって(笑)」とコメントし、会場の笑いを誘っていた。「最近三人目も授かりまして、出産はまだなのですが、男の子の予定ではあるので、トーマス好きにして何年か後に喜んでもらえるようにしたいですね。トーマス好きに育てます!」と堂々宣言する場面も。
そして最後、映画を楽しみに待つ方に向けメッセージを求められると、「本作は、劇場の照明がちょっと明るめだったり、大きな音もあまり鳴らないようになっていたりと、初めて映画館で観るお子様にとっても優しい映画になっています。ぜひ映画館が初めてのお子様にも楽しんでいただけたらなと思います」(山口)、「トーマスは世界中で愛されているのはもちろんですが、本作も発見があったり、仲間のミスをフォローして助けてあげたりと、子どもの教育にも良いですし、大人が観ても楽しい作品になっています。ぜひ観てください!」(田村)、「物語はもちろん、僕が演じたキャラクター・ロレンツォは歌が大好きなので、お子さんにも一緒に歌ったりして参加しながら楽しんでもらえる作品になっているかと思います。ぜひ映画館で一緒に歌って欲しいと思います」(川島)とそれぞれコメントし、会場を後にした。