第69回ベルリン国際映画祭 最優秀男優賞&女優賞W受賞に輝いたワン・シャオシュアイ監督最新作『在りし日の歌』が、4月3日(金)より角川シネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマほか全国順次公開となる。本作の、本ビジュアルと予告編が解禁となった。
喜びも、悲しみも
一緒に重ねてきた日々は、こんなにも愛おしい。
ヤオジュンとリーユン夫婦は、中国の地方都市で幸せに暮らしていた。大切なひとり息子シンシンが川辺で溺れて亡くなるまでは…。悲しみに暮れるふたりは、住み慣れた故郷を捨て、心許せる仲間とも距離を置き、誰も自分たちのことを知らない町へと移り住む。そして、歳月は流れ――。改革開放後、“一人っ子政策”が進む1980年代、経済成長を遂げてきた1990年代、そして2000年代…喜びと悲しみ、出会いと別れを繰り返し、それでも共に生きていく夫婦の姿を激動の中国30年を背景に映し出す。
夫ヤオジュンを『薄氷の殺人』のワン・ジンチュン、妻リーユンを『黒衣の刺客』のヨン・メイが演じ、本作で第69回ベルリン国際映画祭最優秀男優賞、最優秀女優賞をダブル受賞する快挙を成しとげた。監督は中国第六世代を代表する一人として知られるワン・シャオシュアイ。本作で三度目となるベルリン国際映画祭銀熊賞に輝いた。
今回解禁されたポスタービジュアルは、食卓を囲む幸せそうな家族の姿が印象的な一方、「幸せに満ちた日常は、最愛のひとり息子の死によって失われた――」という、サブコピーがその後、訪れる波乱の日々を予感させる。中年、そして老夫婦となった2人の姿が収められた場面写真の数々からは、何があっても共に手をたずさえて生きてきた2人の絆の一端が垣間見える。
併せて解禁された予告編は、変わらない友情を歌った中国語歌詞の「蛍の光」の楽曲から始まり、チェロの深々とした同曲で締めくくられるノスタルジックで、エモーショナルな印象のものに。“一人っ子政策”が進む1980年代を舞台に、同じ年の同じ日に生まれた子供とふたつの家族の仲睦まじい様子が映しだされるが、河原で遊んでいたヤオジュンとリーユン夫婦のひとり息子がある事故で亡くなってしまい…。乗り越えられない悲しみを抱えたふたりは、住み慣れた故郷を捨て、親しい友と別れ、見知らぬ町へと移り住む。そして2010年代――。
時代の大きなうねりに翻弄され、悲しみと罪悪感を抱きながら年を重ねた登場人物たちの姿と、輝かしく幸せだった日々が代わる代わる映し出され、「それでも、人生は続いていく――」という言葉と「蛍の光」が、別れと出会いを印象付ける。大きく変貌し続ける社会のなかで精一杯生きる市井の人びとの姿を丁寧に描いた、感動の人間ドラマに期待が膨らむ予告となった。
『在りし日の歌』予告編
https://youtu.be/sJDV0DqK0po