日本の Hip Hop 界で歴史的名盤と言われるSEEDA のアルバム「花と雨」を原案とし、新進俳優、笠松将が主演を務める映画『花と雨』が、2020年 1 月 17 日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷 他、全国公開となる。
幼少期をロンドンで過ごした主人公・吉田は閉塞的な日本の空気に馴染めないまま、高校生活を送っていた。次第に学校から距離を置く吉田にとって唯一”Hip Hop”だけが彼の拠り所だった。海外での活躍を目指す姉・麻里との約束を胸に、アーティストとして独り立ちするべく練習や活動に没頭する。しかし吉田は初めて自分の居場所を見つけたと思った矢先、チャンスを掴みかけては裏切られ、現実の厳しさに晒され次第に自分を見失っていく。そしてその先に待っていたのは、最愛の姉との別れだった。このままでは、俺は負ける。吉田はラッパーとして、1人の人間として、現実を乗り越えるべく立ち上がる…。
主演にはオーディションを勝ち抜いた笠松将。向こう意気の強さと脆い雰囲気を兼ね備え、役への熱量と圧倒的なパフォーマンスで主人公吉田を見事に演じ切る。他にも大西礼芳、岡本智礼を始めとするフレッシュなキャスト達が魅せる渾身の演技は観る者たちの心を揺さぶる。監督はミュージック・クリップや CM で数々の受賞歴を持ち、「Perfume」や「水曜日のカンパネラ」「ゆず」「Björk」など多くのアーティストの MV を手掛ける映像ディレクター土屋貴史。長編映画初監督作とは思えない、その計算し尽くされた抒情的な映像美、独特のリズム、大胆なカメラワークなど新しい映画作家の誕生を感じさせる。原案は、2000 年代から今日に至るまで、独自の感性でその最先端を走り続けてきたアーティスト・SEEDA が 2006 年に発表し、多くのアーティストに影響を与えた日本の HipHop における伝説的アルバム「花と雨」。彼の自伝的なエピソードも交え、「現実と理想」「生と死」「アイデンティティの探求」など様々なテーマを通じて、❝何者かになりたい❞一人の青年が葛藤しながら成長する姿を描く。尚、本作では SEEDA 自身が音楽プロデュースを、東京最高峰の MC・仙人掌が演技指導を担当し、観客が映画と一緒にドライブする本物志向の音楽青春映画が誕生した。
【STORY】
幼少期、ロンドンで育った主人公の吉田は、閉塞的で村社会的な日本の空気に馴染めないまま、高校生活を送っていた。同級生や現実を冷めた態度で見つめ満たされない日々。そして次第に学校から距離を置くようになった時、”Hip Hop”と出会った。Hip Hop を通じて日本で初めて自分が表現できる場所・仲間とも出合い、身も心も”Hip Hop”にのめり込んでいく。吉田は、いつか海外での活躍を目指す姉・麻里との約束を胸にラッパーとしての練習や活動をしながらストリートでは、ドラッグディールで実績と自信をつけていく。しかし、物事はそう簡単にうまくはいかなかった。ラップバトルで再会する同級生には負け、掴みかけたチャンスは仲間に裏切られ次々と失った。初めて自分の居場所だと思えたからこそ、その現実の厳しさに晒され、自分を見失って行く。Hip Hop への情熱も薄れ、いつしか単なるドラッグディーラーに成り下がっていた。夢に邁進する姉の麻里とも距離を置くようになり、いつまでもうまくいかない現実から逃げる吉田は、ついに逮捕されるはめに。そしてその先に待っていたのは、最愛の姉との別れだった。これが、自分のやりたかったことなのか?吉田はラッパーとして、1人の人間として、現実を乗り越えられるのか…。