日時:9月15日(土)
場所:新宿武蔵野館
登壇者:北村龍平監督/高木三四郎、男色ディーノ、HARASHIMA、坂口征夫、樋口和貞、赤井沙希、山下実優、まなせゆうな、上福ゆき、 With ヨシヒコ/あいかわい翔
『ヴァーサス』『あずみ』『ゴジラFINAL WARS』そして『ルパン三世』と話題作を次々と手がけ、ハリウッドに拠点を移し『ミッドナイト・ミート・トレイン』『ノー・ワン・リヴズ』を発表。日本人監督でただ一人、ハリウッド最前線で活躍する北村龍平監督と、『千年女優』『東京ゴッドファーザーズ』など数々の名作を手がけ、『この世界の片隅に』で社会現象を巻き起こした真木太郎プロデューサーがタッグを組んだ極限のソリッドシチュエーションスリラー『ダウンレンジ』が、9月15日(土)より新宿武蔵野館ほかにて日本上陸となった。この度、初日である9月15日(土)に、北村龍平監督による舞台挨拶が行われ、ハリウッドで戦う北村龍平監督の新作に、常に最前線で戦うDDT戦士が集結。DDT EXTREME級王座HARASHIMA、坂口征二を父に、坂口憲二を弟に持つ坂口征夫、赤井英和の闘志を受け継ぐ赤井沙希、現東京プリンセスオブプリンセス王者山下実優、ミス東スポグラレスラー第一人者まなせゆうな、そして代表高木三四郎他多数が登壇した。
『ルパン三世』(14)を大ヒットさせた北村龍平監督と『この世界の片隅に』(16)を社会的大ヒットに導いた真木太郎プロデューサーがタッグを組んだ異色作『ダウンレンジ』が9月15日、新宿武蔵野館で初日を迎えた。この日は、大のプロレスファンである北村龍平監督を祝福するべく、DDT、東京女子プロレスに所属する総勢10名(高木三四郎、男色ディーノ、HARASHIMA、坂口征夫、樋口和貞、赤井沙希、山下実優、まなせゆうな、上福ゆき、ヨシヒコ)のプロレスラーたち、そして哀川翔のものまね芸人あいかわい翔らも会場に駆けつけた。
『VERSUS』で世界にその名を轟かせた北村龍平監督が、原点回帰とも言える衝撃のソリッドシチュエーションスリラーを手がけた作品がいよいよ初日を迎えたということで、この日の舞台あいさつも、普段の映画初日舞台あいさつとはひと味違った度肝を抜く舞台あいさつとなった。会場内に突如リングアナウンサーが登場すると、この日集まった10名のプロレスラーたちを呼び込み。舞台上には屈強なファイターたちが勢ぞろいしたが、彼らを迎える北村監督も体格の良さでは負けていない。「今日は決してDDTの入団会見ではありません」と笑う北村監督だったが、DDTの高木三四郎社長は「北村監督はわれわれよりもでかいので、プロレスラーとしてスカウトしたい」と熱いラブコールを送ってみせた。
『ルパン三世』以来、久々の作品を発表した北村監督は、「『ルパン三世』とは真逆の原点回帰の映画を作りたいと思い、『この世界の片隅に』の真木プロデューサーに絶望の中心となる映画を作らないかと言ったら、快く引き受けてくれた」と本作制作の経緯を説明。「無駄をそぎ落として、限定空間というミニマムなセットでマキシマムなテンションで、観客を90分間、地獄に落としたいなと思って作りました。観客の皆さんには体感していただきたい」と観客に呼びかけた。
日本が誇るゲイプロレスの第一人者である男色ディーノは、北村監督が好みのタイプだったのか、この日は太ももをスリスリするなど積極的にアプローチ。最終的には北村監督の唇を奪うひと幕まであり、会場を大いに盛り上げた。そして映画の感想を求められた男色ディーノが「たぶん皆さん、映画を見終わった後に、監督は精神が病んでいるんじゃないかと。何か嫌な事があったのかなと思うと思います。それくらいの追い詰められ方をします」と述べると、坂口も「いつも映画は自分に置き換えて観るので、今回は非常に疲れました。皆さんもどん底に落ちながら観てもらえれば」とコメント。さらに赤井も「誰もがこの世界にいたらどうしようと。冷や汗と脇汗が止まらない。自分たちも戦いの場にいるので、自分ならどうするだろうと想像しながら観ました」と続けた。
そんなカオス空間となったこの日の舞台あいさつもいよいよ終盤。最後のあいさつを求められた北村監督は、「映画監督というのは割の合わない仕事なんです。この映画も三年かかって作った大事な作品です。今日はお客さまに届けるために来たので、楽しんでください。頑張って作ったインディーズ映画なので、皆さんの口コミで広げていただければ。そしてまた次の映画で帰ってきたいと思いますんで、よろしくお願いします」と会場に呼びかけた。