日時:1月7日(日)
場所:ヒューマントラストシネマ渋谷 シアター1
登壇者:片桐はいり、大九明子監督
松岡茉優主演映画『勝手にふるえてろ』が12月23日より公開となった。原作は、01年に「インストール」でデビュー、「蹴りたい背中」で第130回芥川賞を受賞した作家・綿矢りさによる同名小説。東京国際映画祭観客賞受賞、公開初日満足度第1位(12/15 Filmarks調べ)、そしてネット上でも「2017年邦画No.1」と話題沸騰中の痛快エンターテイメント。1月7日(日)、キャスト登壇によるトークイベントが実施された。
上映後の観客の前に登場した片桐はいりと大九明子監督。観客の様子を見ていた片桐は「みんな細かく反応してくれているので嬉しいなーと思って。でも私のところは大したことなかったですけど!」と早速の自虐ネタに会場は大笑い。「そんなことないでしょ!一個一個、全部笑いをとろうとする!」と大九監督も思わずツッコミ、二人は息のあった掛け合いで会場を盛り上げた。劇中の片桐のオカリナ演奏シーンについて、大九監督は「あれは本当に吹いておられるんですよ!」とコメント。片桐は「昔宇宙人とオカリナを吹いて交信をするっていう役をやったことがあったんで吹けたんですよ。あれ(本作の演奏シーン)は急に生で吹いてくれってなったんですよね。」と過去の不思議な役柄が演技に生きたことを語った。「あそこは同録で、片桐さんに吹いてもらうためにそれようのメロディーをつくったんですけど、それ以外の難しいところも吹きこなしていて凄いなぁと思って。」と大九監督もその演奏をべた褒め。
撮影の裏話から、話題は仲の良い二人の出会いについて。大九監督は「片桐さんは普段趣味でキネカ大森でチケットのもぎりなんかをやってるたりするんですよ。あと観客としても見に行かれてたりして、それで「あっ!また会った!」っていうのが何度あって。」と語った。「あと、WOWOWに入ってないんで!」と片桐が付け加えると、大九監督は「あ、WOWOWもっている某プロデューサーの家に行くっていうことがよくあったから、そこでよく会ってた!」不思議な出会いのエピソードを披露した。
「大九監督は普段からお話が面白い。」という片桐の言葉から、大九監督は監督になる前、芸人時代のエピソードを語ってくれた。「結構死に物狂いでやっていて、ピンでネタを作り続けて、そこで”作る”ということが好きだって気づいてきたって感じですかね、当時、映画は癒しでしたね!1日の終わりに映画館に行って今日は無駄じゃなかった!って思いたかった感じ。なんか暗い感じになっちゃった!いや、ほんと暗いのよ20代。」と大九監督の自虐エピソードに会場はまたまた大笑い。
そんな過去の暗さが炸裂したという本作。劇中には観客もあっと驚く片桐のキスシーンがあり、実はそれは大九監督の思いつきだったという。脚本にはなかったシーンに片桐は「いきなり言われてはっ!?ってなって。もの凄い説得されたの!あんまりそういうのお願いされるキャラでもないので、断るとかないんですけど。」とコメント。「とても重要な役だったですよ。あと、実はあそこはカットされた後も長回ししていたので撮影されているんですよ。押し倒すところまで。スタッフも笑いをこらえて、カメラがとまってすぐ吹き出してましたよ!」と大九監督が言うと、片桐は「えー!何で笑うのー!」とツッコミ、片桐の普段あまり見慣れない演技の裏エピソードに盛り上がった。
最後に、「新年キネカ大森でも2月からやるので、ぜひ!偶然いたら(チケット)もぎりますので!」と観客へ呼びかけた片桐。大九監督は「何回も見たっていう方、はじめての方、色々な方に見ていただいて、本当に皆さんの勝手にふるえてろになっているなと感じます。これからも映画をかわいがってくださいませ!」とリピーターも多い観客へ熱いメッセージを届け、大盛況のイベントは終了した。