本年度アカデミー賞脚本賞ノミネート『ロブスター』脚本家による最新作『ストロングマン』が3月25日（土）より新宿シネマカリテほかにて公開となる。予告編が解禁にとなった。
今回解禁された予告編では、ギリシャ、エーゲ海の船上で男達6人がストロングマン（最高の男）を決めるゲームをしようと話すところから始まる。一挙一動を評価し合うこのゲームで、“イケてる腹筋”、“カッコよく日光浴”、“釣った魚の大きさ”、“全身で窓拭き”から花火をバックに“エア「Lovin’you」”のパフォーマンスなどそれぞれに加点・減点ポイントが表示され、非常にどうでも良い内容で互いを採点し合う中年男たち。
最初は冗談半分で楽しんでいたが、次第にエスカレートしていき最後は殴り合いの大ゲンカに発展してしまう。果たして彼らは無事にストロングマン（最高の男）を決められるのだろうか？また、本予告編ではエレクトロニック・ダンスミュージックのパイオニア的な存在パトリック・カウリーの「Pagan Rhythms」が効果的に使われており、この奇妙なゲームが繰り広げられる世界観を印象付けている。
本作は先日発表された第89回アカデミー賞脚本賞に『ロブスター』でノミネートされたエフティミス・フィリップの最新作である。
『ロブスター』（16）は話題作『ラ・ラ・ランド』と並び、脚本賞5本のうちの一本に選ばれた。本作『ストロングマン』では中年男6人が船上で “奇妙なゲーム”を繰り広げ、誰の心にもある「他人よりも優れていたい」という自尊心を笑いと共に描きエフティミス節を炸裂させている。監督・共同脚本には、リチャード・リンクレイター監督『ビフォア・ミッドナイト』の共同プロデューサーであり、女優として出演もしているアティナ・ラヒル・ツァンガリ。2004年開催アテネオリンピックの演出を担当するなど、活動は多岐にわたりギリシャで最も期待されている女性監督である。
ギリシャ映画はここ数年、各映画祭でその存在感を増してきている。独創的な作品が次々に生まれる秘訣について監督は「これらは常にギリシャ文学やギリシャ演劇に潜在していたことなのです。近年は自分達で全てプロデュースすることにより、自由にコントロールできるスクリプトがうまれたのです。とても古いギリシャの伝統に基づく脚本が。これらはたとえばギリシャの実験的な劇場では長い間観ることができたものです。ただ、映画館では今まで観ることができなかったのです。」とコメント。
『ストロングマン』予告編
