日時：1月19日（木）
場所：ユーロライブ
登壇者：辛酸なめ子
MC:森直人
ジェイク・ギレンホール主演（『ナイト・クローラー』）の主演最新作『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』（原題：Demoliton）が2017年2月18日（土）より公開となる。メガホンを取ったのは、『ダラス・バイヤーズクラブ』『わたしに会うまでの1600キロ』などで知られる、ジャン=マルク・ヴァレ監督。『ナイトクローラー』で狂気的な演技で人々を魅了させたジェイク・ギレンホールが、妻を亡くしたのに涙の一滴すら流せず、自らの感情とうまく向き合えない哀しみと虚しさを、繊細な演技で見事に表現し、新境地を開拓している。今回、映画評論家の森直人をMCに、漫画家・エッセイストとして活躍している辛酸なめ子をゲストに迎え、映画上映後にトークイベントが開催された。
映画上映後、作品の余韻が漂う場内に拍手で迎えられた辛酸なめ子。まずはじめに本作を観ての感想を聞かれ、「ジェイク・ギレンホール演じるデイヴィスの壊れ方がポエティックで、魅力的。全体の演出が抑え目で、あとから感動がじわじわとくる最高に美しい作品だと思いました」と語った。
もともと主演のジェイク・ギレンホールには以前から注目していたという辛酸。本作をみて改めてその魅力について、「ずっと見てしまう、吸引力みたいなものがある」と太鼓判。妻を亡くしても一滴の涙も出ず、破壊行動に走るデイヴィスという役を演じたことに関しても、「破壊行為にもどこか品があって安心して観られる」とその演技を絶賛。
また、「眉毛が困っているところもいいですよね。困り顔に萌えます」と終始メロメロだった。また、「少年がすごい可愛かったですよね」と、感情を無くしたデイヴィスの心を溶かしていく、少年・クリス役のジューダ・ルイスについても言及。本作を観るまでは全く知らなかったことを明かし、「顔立ちが本当に綺麗で、フランス人なのかなと思った」と、そのルックスを誉めつつ、「彼が演じるクリスの危うい感じが、ちょうどデイヴィスの波長と合ったのでは」と分析し、印象的なシーンとして、クリスのドラムに合わせてデイヴィスが踊るシーンを挙げた。
邦題にもつながり、本作の中で重要なカギとなる“妻が遺したメモ”。「もし私の母が亡くなった後に母が書いたメモが見つかると、それは最近もらった手紙みたいな気がして、時空を超えた今のメッセージかなと思う」と劇中の設定を自身に置き換えつつ、感情移入の対象については、「人間の描き方が深いというか表面的でないので、どのキャラクターにもシーンごとに感情移入できる映画なのかな」と本作の魅力を語った。
最後に、「雪も降りそうな寒さも、この映画の余韻で温まる感じで耐えられるのではないかと思います」と本作をアピールし、トークイベントは終了した。
