刊行から50年、遠藤周作没後20年の2016年。世界の映画人たちに尊敬され、アカデミー賞にも輝く巨匠マーティン・スコセッシ監督が、戦後日本文学の金字塔にして、世界20カ国以上で翻訳され、今も読み継がれている遠藤周作「沈黙」をついに映画化した。スコセッシが原作と出会ってから28年、いくつもの困難を乗り越えて実現した一大プロジェクトだ。
主演のアンドリュー・ガーフィールドを筆頭に、アダム・ドライバー、リーアム・ニーソン、日本からは窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシら、各世代の実力派が名を連ねる。さらに、全員でアカデミー賞受賞6回、アカデミー賞ノミネート23回のスコッシゆかりの最高のスタッフと、時代考証や美術で日本人チームが参加し、舞台となる江戸初期の長崎を再現した。人間の強さ、弱さとは?信じることとは?そして、生きることの意味とは?マーティン・スコセッシの最高傑作にして本年度アカデミー賞最有力作品がいよいよ上陸する。この度、『沈黙-サイレンス-』の日本版オリジナル予告編と場面写真2点が同時解禁となった。
「初めて原作を読んだあの日から28年、ずっとこの作品のことを考えてきました」予告編はマーティン・スコセッシ監督のメッセージで幕をあける。冒頭、敬虔な信者であるモキチ(塚本晋也)が荒波の中、水磔に遭うシーン。湯煙の雲仙で行われる激しい仕打ちを目にして絶望的な表情で腰を落とす宣教師の姿に、「フェレイラ(リーアム・ニーソン)が棄教したことを告げる神父の姿が重なっていく。「あり得ない。日本での布教活動に生涯を捧げられておられた」とガルペ(アダム・ドライバー)が驚き、「すぐに彼を見つけ出さないと」と、ロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)は長崎潜入を決意する。江戸初期、キリシタン弾圧下の長崎に着いた二人の宣教師は、弾圧の中、隠れてキリスト信仰を続けていた村人たちに匿われる。二人を長崎へと導いたキチジロー(窪塚洋介)は「パードレ、どうかお助けを。弱い者はどうすれば?」と赦しを求める。だが、奉行の厳しい追及は容赦なく、井上筑後守(イッセー尾形)は、「お前のせいで奴らは苦しむことになるのだ」と棄教を迫る。「パードレたちはわしらが守る」と固い決意を示した村の長老・イチゾウ(笈田ヨシ)とモキチは、茂みに隠れたロドリゴの目の前で連れ去られてしまう。
「我々が彼らを救うのだ」と、尚も固い信念で前に進もうとするロドリゴだが、遂に囚われの身となってしまう。牢屋には通辞(浅野忠信)が現れ、「悩むことはない“転ぶ”のだ。お前が転ばぬ限り犠牲がでる」と棄教を迫る。弾圧は更に激しさを極め、目を覆いたくなるような光景に言葉を失い、絶望的な表情をするロドリゴにもその瞬間が迫ろうとしていた…。
同時解禁された場面写真は、長崎奉行の追跡を逃れて山中をさまよう中、キチジローが自らの罪を告白しロドリゴに赦しを請う告解のシーン。そして、奉行所に囚われたロドリゴに、“転べ”と迫る通辞をとらえている。
若き宣教師ロドリゴが見た想像を絶する日本とは。そして、彼を待ち受ける過酷な運命とは。
ハリウッドと日本の技術、才能、パッションが融合し、人間にとって本当に大切なものとは何かを、壮大な映像で問いかける歴史大作に注目だ。
映画『沈黙-サイレンス-』本予告
https://youtu.be/0cUtOR-DL1A