『ホテル・ルワンダ』(04)でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた実力演技派俳優、ドン・チードルが監督、主演、脚本、製作を務めた『MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の 5 年間』が、12 月23 日(祝・金)より TOHO シネマズ シャンテほか全国順次ロードショーとなる。
ジャズ・ミュージックの歴史を語るうえで欠かすことのできない巨人であり、既存のジャンルやスタイルの枠を軽々と打ち破って革新的なサウンドを創造したマイルス・デイヴィス。名優ドン・チードルが監督デビューを飾った本作は、クラウド・ファンディングで制作資金を募ってまで実現にこぎつけた、チードル念願のプロジェクト。
ありがちな伝記映画ではなく、アクションあり、ラブストーリーありとエンターテイメント性に富み、過去と現実が入り交じり時系列を飛び越えてマイルスの音楽と共に躍動する―まさに映画自体「マイルス・デイヴィスを体現する」ことに重きを置いた本作。その中でも見所のひとつがラストのライヴシーンだ。
ドン・チードル扮するマイルスを中心に、マイルスの弟子ともいえるハービー・ハンコックやウェイン・ショーターといったベテラン勢、マイルスの遺伝子を受け継いだロバート・グラスパー、エスペランサ・スポルティング、アントニオ・サンチェス(『バードマン あるいは無知がもたらす予期せぬ奇跡』のサントラを手掛ける)ゲイリー・クラーク・Jr.といった次世代を牽引する若きミュージシャンが豪華競演している。
ドン・チードルは「もしもマイルスが今も生きていたら、集めただろうなというグループになっているよ。コンサート自体も公開リハーサルのようなすごく自由なスタイルだった。彼の曲は、それぞれが作られた時代を反映していたけれど、時代の先をゆくものも多かった。彼はジャズという言葉も嫌っていて、“ソーシャル・ミュージック”という言葉を好んで使っていたよ。」と語っている。
気まぐれで破天荒、ギャングスタ―のようでありながらも、認めた才能を育て、可能性を切り拓くリーダーであったマイルス・デイヴィス。常に進化を求め前に進み続けた彼の魅力のすべてを凝縮した本作を鮮やかに締めくくっている。
『MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間』 奇跡のセッション
https://youtu.be/kOwtnhopSrk