自身の実体験から生まれた大ヒット作『冬の小鳥』で鮮烈なデビューを果たしたウニー・ルコント監督による待望の最新作『めぐりあう日』が、7月30日より岩波ホールほかで公開されることが決定した。
北フランスの港町ダンケルク。産みの親を知らずに育った理学療法士のエリザは、自身の出生を知るために、息子を連れてパリから引っ越して来た。だが、実母が匿名を望んでいるために、なかなか手がかりがつかめない。そんなある日、息子が通う学校で働く中年女性アネットが、患者としてエリザの療法室にやって来る。2人は、治療を繰り返すうちに、不思議な親密感を覚えるようになるが…。
孤児となった9歳の少女が韓国からフランスへ養子として旅立つまでを繊細なタッチで描いた前作『冬の小鳥』。2010年、ウニー・ルコント監督は、自身の子供時代をもとに書いたこの映画の脚本が、巨匠イ・チャンドンの心を射止め、製作も担当してもらうという幸運な監督デビューを果たした。
それから6年、再び自身の人生から新たな映画『めぐりあう日』を製作。今回は、夫も息子もいる自立した女性を主人公に据え、30年の歳月を経てめぐり逢う母と娘を描く。理学療法という肌が触れ合う行為を通し、見えない糸に手繰り寄せられるように近づく母と娘。運命の不思議さに胸を締め付けられるも、新たな人生の一歩を予感させるルコント監督渾身の感動作が誕生した。