“偉大なる美術館”が抱える理想と現実を描くドキュメンタリー『グレート・ミュージアム ハプスブルク家からの招待状』11月公開

“偉大なる美術館”が抱える理想と現実を描くドキュメンタリー『グレート・ミュージアム ハプスブルク家からの招待状』11月公開
提供:シネマクエスト

オーストリアのウィーン美術史美術館の改装の舞台裏を描いた映画『グレート・ミュージアム ハプスブルク家からの招待状』(原題:The Great Museum)が、11月から日本で公開されることが決定した。

同作品はハプスブルク家のコレクションを始め、ブリューゲルの「バベルの塔」など膨大な美術作品を所蔵し、今年で創立125周年を迎えるウィーン美術史美術館の改装工事に密着したドキュメンタリー。2012年から大規模な改装工事に着手した美術館の改装から再オープンに至るまでの舞台裏を、解説やインタビュー、音楽を一切排したダイレクトシネマの手法を用いて撮影。館長から清掃員、運搬係から美術史家に至るまで、スタッフたちの一人一人が美術館の美術品と共存しながら働く姿、そして最高の形で展示する過程を映し出す。

さらに今作で描き出されるのは、そこで働く人々の小さなドラマの数々。繊細な絵画の復元作業を日々重ねる修復家、美術館の中で自分がチームにうまく組み込まれていないと感じるゲストサービス、定年にさしかかった貴族出身のコレクション責任者、オークションでスリルと落胆を味わう美術史家……ハプスブルク家の時代から続く伝統と永遠性を兼ね備えた美術品を未来に継承するため、様々な立場にある人々が抱く様々な思いが映し出されていく。

働くスタッフ全員が予算の問題と競争力の重圧との狭間に立ちながら作品に誠実に向き合う姿勢は、政治や観光における国の姿を表現する際に、芸術がどのような役割を担っているのかをも浮き彫りにする。「偉大なる美術館」と称えられるウィーン美術史美術館が担う収蔵、収集、修復、展覧というミッションに、人々はどう取り組んでいるのか。

最終更新日
2016-04-06 13:21:51
提供
シネマクエスト(引用元

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